森守洋「レッスンは受けるな」Vol.4「ボディターン」は非常に危険な言葉です
森守洋「レッスンは受けるな」
堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。
PHOTO/ARAKISHIN
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- 堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。 PHOTO/ARAKISHIN、Seiichiro Matsuoka >>前回のお話はこちら Vol.3陳清波のダウンブローについて(後編) クラブという棒を振る動作は全員共通 陳(清……
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「ボディターン」の功罪
「手は使わないもの」
と言っているわけではない
ゴルフレッスンの世界には、『ボディターン』という言葉があります。
1992年頃にD・レッドベター氏が提唱したアスレチックスウィングのレッスン書が日本でも爆発的に売れて、そこで使われていたことでボディターンという言葉が一気に広まりましたが、ボディターンというのはあくまでも表現に過ぎません。直訳すれば「体を回す」ということですが、ごくごく当たり前のことで体は止めちゃダメなんです(笑)。ただ、その言葉のイメージから「手や腕は使わないんだ」と勘違いすることが危険な悪魔の言葉なんです。
仮にプロに「トップからの切り返しからインパクトまでどんなイメージで振っていますか?」と聞いたら、「左足から踏み込んで腰を切りながら切り返して振っています」というような回答をすると思います。これだけ聞くと「手は何もしない」と思いますよね。でも、手や腕を使わず何もしていないプロはいません。
ただ、プロたちにとっては手を使わないで振るという感覚は事実だし、手を使わないことは当たり前だと思っているから先ほどのような言葉にしているだけです。
でもクラブにエネルギーを与えているのは手です。手が使えてないとインパクトで体が開いていわゆる振り遅れになることも本能的にわかっている。でも手は使っていないと表現するのがプロです。
もしアマチュアゴルファーが手を使わないで振ると、本当に手を使わず振るから振り遅れになってしまいます。その結果、ヘッドが下に落ちようとする動きになるので、それを嫌がってアーリーリリースしてインパクトを迎える動きになってしまうでしょう。
でも、どうしてボディターンという言葉が日本のアマチュアゴルファーに響いたのか。理由は『手打ち=悪』というレッスンが蔓延した過去があったためです。
そのため、多くのアマチュアゴルファーには「手打ちをしているから上手くなれないんだ」とか「もっと体を回さないといけない」というようなことをいまだに思っている人が多くいらっしゃいます。
ボディターンという言葉は、感覚表現だとボクは思っています。
往々にしてゴルフレッスンは感覚表現の発表会みたいなところがあり、ちょっとキャッチーな言葉を使うほうが良い悪いは別としてイメージはしやすいし世間に広がりやすいとは言えるでしょう。
言葉尻をとらえてしまい、本来やるべき動きを止めてしまったり、本質的なことをはき違えてしまう人が多く出てしまうことが問題なのです。
ゴルフにおいて大事なことは、いま手にしているクラブを感じることです。ですが多くの人は、目に見えるポジションなどの“形”をどうしても意識してしまいます。実はそれって本当に難しいことなんです。 以前アマチュアゴルファーの方々にアンケートを取ったことがあって、ゴルフをやめた理由で一番多かったのが「難しいから」でした。興味があって始めたけれど難しいから挫折した。そこは我々コーチ側としては減らしていきたいと思っています。
話を元に戻しますが、ボディターンだからといって手を使わないということを言っているのではないのです。これはあくまでも感覚表現の一つだと思ってください。
ボクはお客さんに目を閉じてクラブを振ってもらうことがあります。そうするとフェース面がどこを向いているかを強く感じられるようになるんです。
ブルース・リーじゃないですけど『考えるな! 感じろ!(Donʼt think. Feel.)』、ゴルフも同じだと思います。
90年代初頭に発刊された『ザ・アスレチックスウィング』はゴルフレッスン界に空前の大ブームを起こした


解説/森守洋
もり・もりひろ。1977年生まれ。静岡県出身。堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのツアープロを指導。原理原則を謳い文句にゴルフスウィングの核心に迫る
週刊ゴルフダイジェスト2026年2月24日号より


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