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森守洋「レッスンは受けるな」Vol.1 大事なのは、グリップの握り方よりもクラブの動かし方だと気づいた

堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。

PHOTO/ARAKISHIN


File.1
森流スウィングの原理原則


大事なのはグリップよりも
クラブの動かし方

ボクがゴルフと出合ったのは高校生の頃。きっかけはキャディのバイトでした。そこからプロを目指そうとアメリカに渡るわけですが、そこで一緒に練習していたのがツアーコーチの井上透さんでした。井上さんは、ボクがいまレッスンを生業にするきっかけになった一人でもあります。

井上さんと一緒に練習はしていましたけど、井上さんの生徒とかじゃなく個人的に仲良くしてもらっていた感じでした。90年代の後半、当時、スウィング動画に線を描けるSHARP(シャープ)のビデオカメラが出始めた頃で、オンプレーンってこうだとか線を引いたりしていろいろと語っていました。ボクはアメリカでミニツアーにも出ていましたけど、頭の中はスウィングとはどういうものなのかという興味がいっぱいで試合はそっちのけ(笑)。

というのも、アメリカ時代に師事していた先生が『ゴルフィングマシーン』という理論に傾倒する方だったこともあり、その理論をたくさん教えてくれていたというのもあるし、自分自身が大人になってからゴルフを始めたこともあり、頭で考えるタイプだったことも重なったからです。あとボクは活字中毒だったということも少なからず影響していたと思います。だから自分は本質的に理論というのが大好きだったんだと思います。

帰国後、本格的にレッスンを生業にしようと思ったのは、ただ単にお金がなかったからです(笑)。神奈川の練習場でスタートして今に至るわけですが、ボクの師匠である陳清波先生と出会ったのもアメリカから帰ってきてレッスンを始めてからでした。陳先生との出会いは井上さんの合宿に参加していたときに紹介してもらった26歳の時でした。

陳先生と初めてラウンドして、そこでボクに大きな変化が起こりました。あれだけ夢中になっていたアメリカでの最新理論についてクソどうでもいい、という気持ちになったことでした(笑)。陳先生はスウィングプレーンとかひと言も言わないし、まったく違う感覚の表現をする。アメリカで学び今まで信じてきた理論はなんだったのか、そう思った瞬間でした。何より陳先生は見たことがないくらい上手かった。いろんなトッププロとラウンドさせてもらう機会はあったけど、陳先生ほど衝撃を受けたことはありません。それで「習わせてください」って陳先生にお願いして弟子入りしました。

その頃ボクはQTで毎年サードまで行ける実力でしたが、陳先生から言われグリップをセミストロングからスクエアに変えて地道に練習したのに成績が出なくなっていきました。教えてくれている人は上手いのになぜ? と思い、そこでまた何かを感じたんです。

「大事なのはグリップじゃなくてクラブの動かし方じゃないか」

それがボクがいま提唱するゴルフスウィングの原理原則にたどり着くきっかけになりました。結局のところ、たとえばグリップがフックでもウィークでも上手いヤツは上手いんです。見た目の形に惑わされていたことに気が付いたんです。大事なことは、見た目とは骨格や柔軟性で変わるものでクラブの動かし方は変わらない、そういうことを陳先生の指導を受けたことで学ぶことができました。

ボクが「レッスンを受けるな!」というのは、レッスンそのものを否定しているわけではありません。スウィングの原理原則を理解することで、巷にあふれる様々な理論が本当に言いたいことは何かを理解できるようになるべきという意味合いがあります。今回から始まるこの連載では、様々な理論や達人たちが本当は何を言いたいのかを、ボクなりの原理原則に沿って説明していきたいと思います。

物体が上から下へと落下する物理こそゴルフスウィングだ

解説/森守洋

もり・もりひろ。1977年生まれ。静岡県出身。堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのツアープロを指導。原理原則を謳い文句にゴルフスウィングの核心に迫る

週刊ゴルフダイジェスト2026年2月3日号より