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【岡本綾子 ゴルフの、ほんとう】Vol.985「いろんな嗜好があるけどやっぱりラウンドは18ホールしたい」

米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王となった日本女子ゴルフのレジェンド・岡本綾子が、読者からの質問に対して自身の経験をもとに答えていく。

TEXT/M.Matsumoto

>>前回のお話はこちら


健康のためゴルフは続けたいのですが、18ホールプレーは時間がかかりすぎると感じています。ハーフラウンドがもっと手軽にできるよう世の中に運動しているのですが、岡本さんはどう思いますか?(匿名希望・50歳)


先日、以前から親しくしている女子プロゴルファーから聞いた話ですが、これまでラウンド中に当然のように使っていた乗用カートをやめて、すべて自分の脚で歩くようにしたところ1カ月で体重が5キロも落ちたそうです。

現役バリバリでないとはいえ、週に何度かラウンドする機会がある彼女。万歩計で計測してみると平均1ラウンド1万8000歩ほどだったとか。

やっぱり歩きは健康の基本、ゴルフが生涯スポーツとして推奨される理由でしょう!

健康のため趣味のゴルフを楽しんでいる方は多くいらっしゃると思いますが、ゴルフコースまで出かけること自体にも時間がかかります。

そこで18ホールではなくハーフラウンドにしたほうが時短で手軽に格安で健康増進が望めるのではないか──。

確かにハーフラウンドでも気軽に回れるコースが増えれば、それだけゴルフへの門戸が広がる可能性はあります。


ですがコース側のさまざまな事情にも目を向ける必要があります。多くのコースは、ただでさえ人手不足と経費の高騰で四苦八苦。

ハーフで回れれば都合がいいからという言い分だけでハーフラウンド推進運動を始めるとしたら……。

大勢のゴルフファンがその主張に賛同して力を貸してくれるかどうかは疑問ですね。

でも、この機会にゴルフが18ホールでひとくくりという決まりになった経緯も振り返ってみましょうか。

ゴルフの故郷スコットランドでも、コースのホール数は当初定まってはいなかったそうで、18ホールで回るプレースタイルを始めたのはセントアンドリュースのオールドコースが世界初だったといいます。

以前からあったコースは12ホールでしたが、1764年に市当局が宅地造成のためクラブ側に土地の返還を要請したため、クラブ側は前半の4ホールを2ホールに統合して返還地を削り、また10ホールのうち8ホールがダブルグリーンで、この計18ホールで1ラウンドできるようにしたそうです。

ちなみにR&Aのルールで1ラウンドが18ホールと決められたのは、1950年になってからのことだそうです。

また1ラウンドが18ホールになった経緯はスコットランドではいまも「昔はリンクスでのプレーの寒さに耐えるため、ゴルファーは尻ポケットに入れたボトルから、1ホールごとに一口ずつ飲み続け、18口目(ショット)でちょうどスコッチが空になってプレーをやめたから」なんて言われていますが、洒落たジョークですよね(笑)。

18ホールは適当なホール数でありドラマが生まれやすい、所要時間的に集中力を保てる限界、などさまざまな理由が挙げられもしますが、実はどれも後付け。

本当のところは18ホールをフルにプレーしなくちゃならない合理的必然性はなさそうです。それならハーフの9ホールはもとより、何ホールプレーでもよさそうなものですが、それではスポーツやゲームが成り立たず大勢が等しく愛好する形式が保てません。

18ホールで1ラウンドというのは、ゴルフの長い歴史の中で醸成され洗練されて自然に定まったスタイルでありルールなのです。それはゴルフでもっとも重視される作法であるマナーといっていいでしょう。

わたしは9ホールでは物足りないし、18ホールは身に染み込んでいるのでちょうどいいと感じます。ただ、それぞれの好みと主義があるように、ゴルフファンにも多様性があっていい。

ハーフラウンドでのプレーを通常許容していない場合は、メンバーであれビジターであれコース側と交渉する以外ありません。

ハーフで回れるよう個人的に各ゴルフ場とかけ合ってみたのかしら。

まずは行きつけのゴルフ場の方針を下調べをしたうえで、申し入れてみてはいかがかと、わたしは思います。

「意見を言うとき、相手の状況を考えて発するようにしてますか?」(PHOTO by Ayako Okamoto)

週刊ゴルフダイジェスト2026年2月10日号より