【イ・ボミのスマイル日和】Vol.15 マネジャーなしではきっと私は戦えなかった
イ・ボミのSmile日和
2年連続賞金女王など輝かしい実績を残し、2023年に惜しまれつつも日本ツアーを引退したイ・ボミ。これまであまり語られてこなかった生い立ちや現役時代の秘話など、あらいざらい語り尽くす!
TEXT/Kim Myung Wook PHOTO/Takanori Miki、Tadashi Anezaki

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- 2年連続賞金女王など輝かしい実績を残し、2023年に惜しまれつつも日本ツアーを引退したイ・ボミ。これまであまり語られてこなかった生い立ちや現役時代の秘話など、あらいざらい語り尽くす! TEXT/Kim Myung Wook PHOTO/Takanori Miki イ・ボミ 1988年生まれ。15、16年賞金女王。日本ツアー21勝のレジェンド >>前回……
私も、逃げられまいと必死だったんです(笑)
日本に初めて来たころは、ツアーに帯同してくれる母(ファジャさん)と過ごすことがほとんどでした。移動や食事、スポンサーやマネジメント会社とのコミュニケーションなど、私にとっては初めての海外生活だったので、苦労することも多かった。毎週、母がツアーに帯同してくれたのはすごくありがたかったのですが、体力的には本当に大変だなと、そばで見ていて感じていたものです。
私が延田グループ所属となった後は、女性社員の方がマネジャーを務めてくれることになりました。初めて賞金女王になった2015年、結果を出し続けることができたのも、ゴルフ以外の細やかなサポートがあってこそ。ただ、この年を最後に、長らく務めてくれたマネジャーさんが現場を離れることになったんです。
大事な時期に、また一から人を探すのはすごく大変だったと思います。16年、私のそばにいてくれるようになったのが、(李)彩瑛(チェヨン)オンニ(韓国語でお姉さん)です。年齢は私よりも2歳上で、当時、専属キャディだった清水(重憲)さんの紹介でこの業界に来たとか。前職もゴルフとは違う業種で、普通の会社員。それに、ゴルフのことは何も知らない……最初は本当に仕事ができるのかなって
思っていました(笑)。
これまでと違っていたのは、いい意味で「女性らしさ」がなかった(?)、という表現が正しいのかな(笑)。私も、みなさんがイメージされているような”おしとやかな”アスリートではないので、チェヨンオンニは自然体で接してくれる雰囲気があって、馬が合うかもと感じていました。
ただ、距離が近いからこそ、女性同士って難しいんです。ツアー会場で朝から晩まで選手のそばでケアをすることは大変な仕事だと思いますし、私も疲れているけれど、そばにいるマネジャーも一日中外での仕事で疲労困憊。そうすると、試合後には互いに気を遣うもの。しかも、私が賞金女王になった次の年から現場に入ったので、囲み取材や会見、メディア対応やケアに追われて、すごく大変だったと思います。
当時のチェヨンオンニは、「1年目は逃げたくても逃げられなかった」と言っていたような……(苦笑)。私も、マネジャーがコロコロと代わるのが嫌だったので、なんとかいてもらうために、頑張ったんですよ(笑)。
チェヨンオンニは1年目に8㎏も痩せたと言っていて、びっくりしました。でも、オンニからしたら、周囲は知らない人ばかりだし、緊張でご飯も喉を通らないのに、毎日18ホール歩いて試合を見るわけですから……それは痩せますよね。
私とオンニの距離が一気に縮まったのが、2020年からのコロナ禍でした。この時はPCR検査があったり、入国後は隔離生活を余儀なくされたり、日本と韓国を行き来するのが難しい状況で、母も日本にずっといることができなかったんです。私も、試合がない状況で日本に一人でいることが難しいということで、チェヨンオンニと一緒に生活を始めることになりました。
オンニは私にとって、時に母のように、時に実の姉のように、懐の大きさで包み込んでくれるかけがえのない存在。わがままな私の性格を丸ごと受け入れ、歩幅を合わせてくれたからこそ、ここまで長く一緒に歩んでこられたのだと感じています。
ゴルフの成績が振るわず、どん底にいた時、家族ですら、「もっとつらい人はいる」と突き放しがちな場面でも、オンニだけは私の痛みに寄り添い、「そんなに苦しいなら、ゴルフ以外の幸せを見つけたっていいんだよ」と、逃げ道を作ってくれました。その優しさに、私は何度も救われていました。
姉妹のような関係性を築けたのは、その後の選手生活を送るうえで、すごく大きな出来事でした。ちなみに、今も一緒に仕事をしていますが、この関係性はこれからも続けていきたいです。あの頃のように「逃げたい」とは言われないようにしないと!(笑)

年末は韓国で過ごしました!
「ありがたいことに日本でのお仕事がたくさんあったのですが、年末は韓国で過ごすことができました。母国はやっぱり安心できます!」
月刊ゴルフダイジェスト2026年3月号より


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