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【ゴルフせんとや生まれけむ】ニッチロー<前編>「コンペで“イチロー式”始球式が評判に!」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、モノマネ芸人のニッチロー氏。

ゴルフを始めたのは2018年ですから、40歳くらいです。ボクは芸能界に入ったのが遅くて、30歳を過ぎてからだったので、「ゴルフをやると仕事につながるよ」といろんな人から勧められていました。でも、車がなかったですし、道具もそろえなきゃいけませんから、ハードルが高いかなと思っていました。 

それまでゴルフに興味を持てなかったのは父親のせいです(笑)。父親が大のゴルフ好きで、子どもの頃は見たいテレビ番組があっても日曜日の夕方になるとチャンネルを変えられてしまうんですよ。だから正直に告白するとゴルフは嫌いなスポーツだったんです。 

でも、父親がゴルフ好きですから、家にはゴルフボールやゴルフクラブが転がっていました。ボクの地元は長野県飯田市で、家の外は大自然が広がっています。庭に穴を掘って小さなプランターを埋め込み、カップを作ってボールを入れる遊びをしていました。最初は父親のお下がりのクラブを使っていましたが、小学生時代に「プロゴルファー猿」が流行ったので、友達と一緒に木を削り、自分のクラブを作りました。グリップのところに赤いビニールテープをグルグル巻きにして、パターゴルフをしていました。ゴルフが嫌いだったくせに、パターゴルフは大好きでした(笑)。 

ところがゴルフを始めてすぐに長男が生まれ、子育てに奮闘している間に新型コロナウイルスが大流行し、仕事も私生活もバタバタでゴルフどころではありませんでした。ようやく再開できたのは23年です。ゴルフ歴は7年ですが、ブランクが4年くらいあります。ゴルフを再開すると「仕事につながるよ」という予言が現実になりました。ボクがコンペのトップバッターでイチロー選手のパフォーマンスをすると、それが「面白い!」と評判になり、いろんなコンペで「始球式をやってほしい」と声が掛かるようになりました。

ボクのゴルフは右打ちですが、イチロー選手のバッティングは左打ちですから、左で打つかのようにドライバーでプレショットルーティンを始めます。そしてイチロー選手のモノマネをひととおりやってから右打ちに構え直し、実際にボールを打ちます。言葉で説明してもうまく伝わらないので、「ニッチロー ゴルフ場で始球式」で動画検索してみてください。 

この始球式で大事なのは、ボクがナイスショットを打つことではなく、コンペのスタート前の緊張感をほぐし、場を盛り上げることです。クリーンヒットよりもボテボテの内野安打やファウルのほうが盛り上がるので、今のところそんなに上手になる気がありません(笑)。スコアは120から130の間を行ったり来たりのレベルです。 

ただ、最初のうちは始球式だけやって帰る仕事でしたが、しばらくすると「一緒に回りましょう」とか「前の夜から一緒に飲みませんか」というリクエストも増えてきました。周りの人からは「ちゃんと練習すれば絶対に上手になりますよ」と応援してもらっているので、そろそろ本気で練習してみようかなと思い始めているところです。

>>後編につづく


ニッチロー

1978年生まれ、長野県飯田市出身。飲食店勤務時代にイチロー選手に似ていると評判になり、2009年頃から路上パフォーマンスを開始。12年にモノマネ芸人に転身。自称「プロ焼肉選手」としても活動しており、出身地の飯田市から「飯田焼肉大使」に任命されている

週刊ゴルフダイジェスト2025年12月16日号より