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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.248「ゴルフは本来、不公平で困難な競技なんです」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Yasunari Okuda

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  • 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Tadashi Anezaki >>前回のお話はこちら ゴルフは難しい、何が起こるかわかりません。 僕が不調になったんが2000年くらいなんですけど、思いもよらず球が打てなくなるんですからね。……

先週の男子トーナメントの試合は日本オープンでした。日本の秋のプロゴルフツアーは、男女ともメジャーシーズンです。

日本オープンや日本女子オープンといった日本ゴルフ協会(JGA)が主催のナショナルオープンなどの試合を見るとゴルフの精神のなんたるかを感じさせられます。

それが、あるがままのプレーです。

ゴルフ発祥の地、英国のゴルフの精神を言葉に表すなら、この“あるがまま”となるでしょう。米ツアーなどは悪天候でライやコンディションが悪く、ボールに泥などが付くと早くにプリファードライの適用でワンクラブレングスにプレースできるルールが出ます。


ところが、アンフェアを言うプレーヤーが多いなか、R&Aはなかなかそうはいきません。英国では土地柄やコースの水はけ状況にもよりますが、ゴルフは本来、不公平でかつ困難な競技であるという考え方なんです。

朝、雨が降っておったのに夕方は晴れていた。ナイスショットしたのにディボット跡やった。言い出したらキリがない。それを乗り越えて技術を磨き強い気持ちを養うことが最も大切なのですね。JGAはその精神を伝承しようとしています。私も昔やっていた泥の付きにくいドライバーショットの練習を、再開しよう思います。

先々週のシニアツアーは長崎県の佐世保CCで行われました。このコースは私が13年前に初めて回ったときに、石盛岳の起伏を上手く生かしさまざまな技量が試される面白いコースやなあと思いまして、支配人に「誰の設計ですか」と尋ねました。するとやはり、あの名匠・上田治さんでした。福岡県の門司GCから始まり古賀GCなど数多くの名コースを手がけた方です。

今回の佐世保でのラウンドでは、グリーンが硬くて高速で、より一層コースのよさが引き立っていると感じました。少しラフに入ればウェッジで打てども簡単にボギー、ダブルボギーになります。普段から何で打っても止まるグリーンでプレーしていると、プロといえども対応できません。今回もまた自分の甘さを痛感させられる試合でした。

しかしながら、プロとしてこの年齢でもいまだ成長させてもらえそうです。上田治さんに感謝です!

「ゴルフは本来、不公平でかつ困難な競技やという考え方は持っていたいですね」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2025年11月4日号より