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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.242「教えるほうが悪いのか、習うほうが悪いのか」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Yasuo Masuda

>>前回のお話はこちら

  • 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Yasunari Okuda >>前回のお話はこちら 前回、ルーティンを一回やめてみるのもいいですよと言いましたよね。その続きですけど、試合の前の日に食べるもんを決めておるとか言うとるプロもけ……

最近、アマチュアゴルファーにYouTube難民が増えているらしいです。なんでもコロナ禍で巣ごもりしてたときにYouTubeのレッスン動画をいろいろ見過ぎて、わけがわからんようになってしまっとる人が多いとか。

まあ、僕に言わせたら、そもそも“タダ”で上手なろうという魂胆がよくないですわ。やっぱり身銭を切ってやるのとタダでやるのとでは真剣味も違うやないですか。

一方で、お金払ってやればそれで上手なるかいうと、そうでもないケースもあります。たとえばゴルフスクールで、期間や人数をきちっと決めてやるゴルフ教室みたいなもんもあれば、割とゆるめの設定で、生徒さんが入れ代わり立ち代わりしたり、逆に20年くらいずっと通っている人がいるところもありますよね。


スクールで20年やっているいうんが、ちょっとおかしくないかと思うとこです。一応、先生にゴルフを教えてもらいます、いうことで始めたんでしょう。そしたら中学校でも3年で卒業なんやから、だいたいの期限を決めとくとか、どれだけ上手くなったらキリをつけるという目標みたいなもんを決めておかないんか……。

このようなスクールを、サークル活動的にとらえている人がいるということなんですね。でもゴルフを習いにいくわけですから、そろばん塾みたいなもんやと僕なんかは思います。同じ習い事やと思ったら、そら真剣に早く上手ならなあかんとなるわけです。

それが、「いやあ、なんぼやってもこないな感じや」と言うて、「もう7年コレやってまんねん」とか言うとるでしょ、「それ、いつまでやるんですか」という話です。

教えるほうが悪いんか、習うほうが悪いんかは知りませんけど。

先生も別に“免許皆伝”するまでとことんせんでもね、「僕のわかることは伝えたので、またちょっとおかしくなったらメンテナンスするから来てください」と言うて送り出すと言うんならわかるけど。

あまりに馴染みすぎて、しまいに先生が打って生徒が見ておるときがありますからね、お手本を見せるんやなくただ打っとるんです。生徒さんの暇つぶしのルーティンになっとるわけです。

「習い事なんやから、真剣に早く上手くなったほうがいいに決まっとるでしょう」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2025年9月23日号より