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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.241「体が欲するものを食べればいい」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Yasunari Okuda

>>前回のお話はこちら

  • 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Yasunari Okuda >>前回のお話はこちら プロゴルファーで試合前のルーティンを決めているという人がいますが、僕はそういうもんはまったく決めていません。レギュラーツアーに出ておった頃は、だい……

前回、ルーティンを一回やめてみるのもいいですよと言いましたよね。その続きですけど、試合の前の日に食べるもんを決めておるとか言うとるプロもけっこうおるそうで。優勝争いの前の晩はカツ丼で「明日は勝つ」とかいうゴロ合わせをやっとる人は今はおらんのかもしれないけど、ほんまにそうして翌朝起きたら胸やけしとったらシャレにならんですからね。

僕なんか、そのときに食べたいと思ったもんを食べるんが一番いいと思います。自分がそのときにラーメン食べたいとか、果物食べたいとか思うわけやないですか。そのときはビタミンが足りないなと体が察知して欲するから、ビタミン豊富な果物が欲しくなるんやと思います。体が一番正直なんです。


だから、ルーティンとかゴロ合わせとかで食べるもんを決めるなんてことせんと、その日に食べたいなと思うものを食べるんが一番いいんですよ。

僕の知り合いで今年で88歳になる方がおるんですが、その方は85歳のときに、血圧を下げる薬とか、 サプリメントの類いを飲むのを一気にやめたんやそうです。そうしたら、もうすこぶる快調らしいですよ。ゴルフもご一緒するんですが、「あんたらには飛距離負けたかない」言うてます。88歳でっせ。

もちろん、人によってはその薬が絶対に必要なんやということもあるし、サプリが効いて調子がよいというケースも多々あると思います。

でも、この方のように85歳までそれこそルーティンのように毎日服用していた薬やサプリを一気にやめて、それですこぶる調子がええこともあるわけです。

実際、気も若いですしね。僕らとゴルフを一緒にやるときも、体も全然違うのに僕らの飛距離を見て、「飛ばすにはもっとこうやな」とかひとりでも言うてますもんね。酒も飲まれますしね。大会社の社長さんやのに、運転手も付けておらず自分で車を運転してゴルフ場に来られるのを見ていると、すごいなと思いますね。

この88歳の社長さんのような例もあるわけですから、信じていたそのルーティンをいったんやめてみて、その結果どうなるかを試してみてもよいんやないかと思います。

「何かを妙に気にしすぎるんが、よくないんやと思います」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2025年9月16日号より