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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.227「箸でご飯を食べるように打てたら最高」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

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  • 高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。 PHOTO/Tadashi Anezaki >>前回のお話はこちら 参加費100万円のプロアマを10日間やったりして話題となっていた『前澤杯』ですが、本戦では試合会場にランボルギーニやフェラーリなど超高級……

少し前に、YouTube『TASKGOLF』のマツモトタスクさんのセッションコンペに参加した話をしました。タスクさんに初めて会った3年前はドライバーのイップスで悩んでいたときで、僕が「なんでこんなドライバーがおかしなるんですかね」と話しても、ツアープロに生半可なことは言えんと遠慮されてか、具体的な技術の話はほとんど出てこんかったんです。

それが今回のセッションで一緒にラウンドして、初めて技術的な話が出ました。

タスクさんはアメリカで物理学をベースにした『ジェイコブス3D』理論を習得しているので、そういう話になって。グリップから先のクラブの振り子運動は、一般的に支点は左手で、力点は右手の親指と人さし指、作用点はヘッド。でも支点を右手の親指と人さし指で、力点を左手の小指側にするとスムーズにコックが入りやすくなる。どっちがよいということやなくて、ちょっとした意識の違いでスウィングはガラッと変わってくるいうことなんです。詳しいことはタスクさんのYouTubeを見てください。


僕がこのときのセッションコンペでタスクさんから聞いたことは、もう少し込み入ったクラブの支点の置き方の話ですが、「そんなんでイップスが直るかい」と思うたけど、彼が言うイメージでやってみたら全然違う感じの球が出て。それでアレッと思うたんです。

ゴルフは箸を持ってご飯食べるようにできたら一番いいわけです。箸で食べ物を取るときに箸先をどうして動かしているか知らんし、無意識にやっているわけやから、ゴルフもそういうところに落とし込んでいければ最高です。

自分の脳が飯を食いたいと思うたら箸を持つ手が勝手に動くように、何か思うたら勝手にそう動くのが正解やと僕は思っています。

ただ、イップスみたいに思い通りに動かせなかったり、いつまでも上達しないと悩んでいる人などに、タスクさんがやられているようなスウィングの振り子やてこの原理を教えることで、それがヒントになって改善されるいうことはあると思います。

そういうのを研究されている方とたまに話をすると僕のほうもいろいろ気づきがあって、タメになります。

「箸先をどう動かすかは無意識にやっとるでしょう。ゴルフもコレですわ」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2025年6月3日号より