【名手の名言】アンドラ・カーカルディ「ゴルフとは誠に面白いゲームだ。なぜなら……」
レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は、セントアンドリュースに生まれ、1880年代後半から1900年代はじめに活躍したアンドラ・カーカルディの言葉をご紹介!

ゴルフとは誠に面白いゲームだ
なぜなら、自分がすることに
確信は持てても
相手がすることには
確信が持てないからだ
アンドラ・カーカルディ
アンドラ・カーカルディは一般的には全く知られていないが、1880年代後半から1900年代はじめのセントアンドリュースでは人気者であった。少年時代はキャディをしながら育ち、兵役を退いた後、セントアンドリュースのプロとなった。
全英オープンでは3度2位になっている。1889年にはウィリー・パークと首位を分けたが、プレーオフで敗れている。しかしマッチプレーでは無敵といわれた。1894年の全英オープンに勝ったJ・H・テイラーを次の年にマッチプレーで破ったカーカルディ。しかし、その1週間後、全英オープンでカーカルディを10打差で破ったのはテイラーであった。
だが性格も明るく豪放磊落で、コメントもエスプリのきいた諧謔に富んでいたのでギャラリーを沸かせたのである。今回はそんなカーカルディの言葉。まさにゴルフの面白いところであろう。
自分が最高のゴルフをしても、それを上回るプレーをした者がいれば軍門に下るしかない。勝つために相手を意識しすぎても、自分のリズムが崩れては意味がない。カーカルディの名言が教えてくれるのは、「だからこそ、自分のゴルフを貫け」ということ。
ゴルフは他人に惑わされず、自分のスウィング、自分の戦略、自分のペースを守り抜いた者に微笑むスポーツ。カーカルディの残した言葉は、120年以上経った今でも、すべてのゴルファーの胸に響く金言なのだ。
■アンドラ・カーカルディ(1860~1934)
セントアンドリュースで生まれ、キャディをして少年時代を過ごす。18歳で兵役に志願しエジプト戦線に出征。除隊した1885年にセントアンドリュースでの全英オープンに初出場して1打差の2位。1889年にはウィリー・パークとプレーオフになったが、これも敗れて2位。1891年にも1打差の2位で結局、同オープンはとれずじまい。しかしマッチプレーでは無敵で、しかも性格は豪放磊落、当意即妙の諧謔に富んでいたので人気者であった。それを物語るように1910年にはトム・モリスの後を継いでR&Aの名誉専属プロに任命されている。