【ゴルフせんとや生まれけむ】水谷加奈<前編>「初ラウンドは台湾。伊東四朗さんが付きっきりで教えてくれました」

ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、アナウンサーの水谷加奈氏。
文化放送に入社してすぐに担当したのが伊東四朗さんの「あっぱれ土曜ワイド」という番組でした。今から30年以上も前ですけど、その番組のスタッフがみんなゴルフ大好きで、しょっちゅうラウンドに行っていたんですね。バブルの終わり頃で、まだ予算があったんですねえ、番組で30人ほどのリスナーの皆さんと一緒に台湾旅行に行くという企画があって、その時、台湾でラウンドしたのが私のゴルフデビューでした。
営業マンだった父はよくゴルフをしていて、どういうきっかけだったのかわかりませんが、青木功さんとも仲良しだったんです。私が小さかった頃、青木さんに「君も将来ゴルフをやれよ」って言われて頭をなでてもらった思い出もあるんですよ。それで「大きくなったら絶対にゴルフをやろう」と思っていたんですが、社会人になっても父と一緒に打ちっ放しに行くぐらいでコースに出たことはありませんでした。
台湾は伊東四朗さんも一緒だったんですが、ゴルフの前日、四朗さんは悪いスタッフにだまされたのかな(笑)、紹興酒を飲み過ぎちゃったみたいで。ホテルやゴルフ場に向かうバスの中でもずっと具合が悪そうでした。それでも心優しい四朗さんは体調がすぐれないのに、その日が初ラウンドという私に付きっきりで何から何まで教えてくださったんです。デビューの台湾ゴルフで覚えているのはゴルフ場に野犬がウロウロしていたこと、1月で風がビュービュー吹いていて寒くて、しかもキャディさんが意地悪だったこと(笑)。あんまりいい思い出ではないんですけれど、日本に帰ってきてからもちょこちょこプレーするようになりました。
20代半ばから30代半ばの約10年間は、月2回ぐらいのペースでコースにも出ていました。その頃って、お付き合いをしている男性がゴルフをやるかやらないかで状況がずいぶん変わるじゃないですか。私の場合、みんなゴルフ好きだったので……あ、「みんな」っていうと、すごいいっぱいいたみたいですけど、そんなことはないんですよ(笑)。
ベストスコアは一番ハマっていたこの時代に出た102です。もともとそんなにスコアアップしようという気持ちはなくて、楽しければいいやみたいな感じのゴルフ。102が出た時点で「もう、これくらいでいいや」って満足しちゃって。そこから100を切ろうとして頑張るとかいうことはなくて、今もないです(笑)。負けず嫌いでもないし、人と争うことも好きじゃないんですよ。気の合う仲間たちとワイワイ言いながら1日楽しくプレーして、お昼においしくビールが飲めればOKというゴルフなので、スコアへのこだわりは全然ありません。
私、早起きが苦手で以前、朝7時からのワイド番組を担当したことがあるんですけど、毎日4時に会社に来て準備しなくちゃいけないのがすごくつらくて。それで「もう早起きはいいや」って思っちゃったのと、右も左も五十肩になっちゃったのとでゴルフもしばらく遠のいていたんですけど、1年くらい前からまたやりたいなあと思うようになって再開したんです。
>>後編につづく

水谷 加奈
みずたに・かな。東京都目黒区生まれ。立教大卒業後、90年に文化放送にアナウンサーとして入社。多くのバラエティ番組、情報番組のパーソナリティを務める。「誠実に楽しく健やかに」がモットー。ベストスコア102
週刊ゴルフダイジェスト2025年4月8日号より