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【江連忠のPROJECT E】Vol.258 ベッツィ・キング「パワー全開の飛ばし屋なのに美しい」

片山晋呉や上田桃子など、数多くのトッププロを世に送り出してきた江連忠が、自身の経験をもとに、レジェンドのスウィングに宿った“本質”を語る!

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroaki Arihara、Yasuhiro JJ Tanabe、小社写真部 THANKS/オーシャンリンクス宮古島

>>前回のお話はこちら


●今月のレジェンド●

ベッツィ・キング

1955年米国生まれ。メジャー6勝を含む米女子ツアー34勝。賞金女王3回、年間最優秀選手にも3回選ばれ、95年には世界ゴルフ殿堂入りを果たす。168cm


体を強く使いつつ
クラブの動きもいい

キングは歴代女性ゴルファーの中でトップ3に入るくらい好きなスウィングです。

インパクトにエネルギーが集まるアクティブなスウィングでありながら、バランスが良くて美しい。

迫力があって華麗というのは希少なのです。このスウィングの源になっていて僕が特に好きなのが、アドレスです。


どっしりと低重心で体の右サイドが低く、右ひじに余裕があります。このアドレスならボールを横から強く叩けることが想像できます。

昔キングのこのアドレスの写真を練習場に張って毎日眺めていたくらい、最高級のアドレスだと思います。

ハイトップからのハイフィニッシュで下半身の動きが大きく、ニクラスを彷彿とさせる“アメリカン打法”ですが、女性でここまで体を使い切れるのはアスリートの証し。

しかも体を強く使っていても無駄な力みはないので、クラブの動きを邪魔せずに遠心力を生かすことができています。

それが表れているのが大きなフォローです。

彼女が現代の道具を使ったら300Yは飛ぶと思います。

右サイドが低く右ひじが締まった構えが理想

アマチュアの飛ばない人は右ひじを伸ばし右サイドが高い構えが多く、それがパワーが伝わらないアウトサイドイン軌道の原因。キングのように右ひじが体に近く余裕があり、後方から左腕が見えるアドレスを作ろう

ベッツィ・キングの系譜を継ぐのはこの選手

笹生優花

下半身の動きは静かだが体を使い切っている
トップはややコンパクトだが捻転が強く、凝縮されたパワーがちゃんとボールに伝わっている。体を強く使いながら遠心力も使えているため、フォローが大きくなるという部分もキングとの共通点

江連忠

江連忠

1968年生まれ。東京都出身。高校を卒業して渡米し、ミニツアーを転戦しながらジム・マクリーンに師事したのち帰国。日本のプロコーチ第一人者となり、片山晋呉や上田桃子を賞金王に育て上げた

月刊ゴルフダイジェスト2025年4月号より