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「晴れ」には実は2種類あった? 気象観測146年の歴史を紐解く

ゴルフを愛する気象予報士・森田正光氏による気象コラム「当たるも八卦 当たらぬも八卦」。第61回はゴルファーが大好きな「晴れ」にまつわるお話。

「安定した晴れ」と「雨が止んだばかりの晴れ」は違う?

みなさん「気象記念日」をご存じですか? 正解は6月1日。1875(明治8)年のその日に東京で初めて近代的な気象観測が行われたのを記念して、1942(昭和17)年に制定されました。

以来、146年にわたって、場所は変わりながらも気象観測は続けられています。その頃の天気予報がどのように伝えられたかの貴重な資料が、『気象百年史』に掲載されています。

『気象百年史』(気象庁/1975年)より

この絵を見ると、当時の庶民の様子もわかります。曇りのところには、初老の男性が煙草をふかしながら空を見ている様子が描かれています。その但し書きには旧字体で「晴耕雨読、先生勘考一番す、これよく予報を利用する者」となっています。つまり、天気予報によって畑仕事をするかどうかを考え中ということのようです。

さらに、晴れには、「晴れ」と「ハレル」の二種類があります。「晴れ」のほうは天気が良くて傘も閉じています。一方、「ハレル」のほうは、虹が描かれています。この虹の位置が東のほうに現れていたらもう傘は要らない、しかし西のほうなら、まだ傘を持っていた方が良いとの文章が添えられています。つまり、天気は西から変わるので、西の虹は再び雨が降ると注意を呼びかけているのです。

また、旧字体の「ハレ」と言う字は、雨冠の下に「齋(さい)」と言う字が書いてあります。この齋=斉の字に、“サンズイ”を付けると「済」という字になります。この「済」は川を渡り終えたという意味の字で、そこから、もう済んだとか終わったという意味になります。したがって、雨+済で、雨は終わって晴れてきたというふうに使われるようになったそうです。昔は同じ晴天でも、雨が止んだばかりの晴れと、安定した晴れを使い分けていたことがわかります。


森田正光
TBS報道番組「Nスタ」でお馴染み。監修した書籍『空の手帳』が人気。ツイッターは@wm_moritaで検索


月刊ゴルフダイジェスト2021年6月号より