【ゴルフせんとや生まれけむ】江口ともみ<前編>「真っ白なブランドウェアが落書きだらけに」
ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、タレントの江口ともみ氏。
私が本格的にゴルフを始めたのは主人(タレントのつまみ枝豆さん)と知り合ったのがきっかけですが、実は主人と知り合う前からゴルフクラブは持っていました。
父がゴルフ好きだったので、私が短大生のときに初心者向けのピンクのクラブセットを買ってもらい、父と一緒に練習場に行ったことが2~3回あったんです。でも、父にラウンドに誘われても、一緒に行くのは父と同世代の人たちですから、「私はいいよ」と断っていました。今になって振り返ると、若いうちからもっと一緒に行っておけば親孝行になったのになあと思います。
そんなわけでゴルフクラブは持っているけどラウンドはしたことがないときに主人と知り合ったんですね。主人は静岡県出身で、御殿場に友達がたくさんいるんですけど、御殿場の方が東京に来たときお酒を一緒に飲むことになり、夜の六本木で11時か12時ごろまで飲んでいたところ、急に「明日ゴルフに行こうぜ」という話になったんです。でも、そのとき私はゴルフクラブしか持っていなくて、ゴルフウェアもゴルフシューズも持っていなかったんですよ。練習場に行くときは普段着でしたから。
「私、ゴルフクラブは持っているんですけど、それ以外は何も持っていないです」とお伝えしたら、「シューズはゴルフ場で借りることができるよ。ウェアはポロシャツとキュロットとかで来ればいいから」と言われ、本当にゴルフに行くことになりました。まだ結婚する前でしたから、主人が翌朝、私の実家まで車で迎えに来てくれて、御殿場のゴルフ場に。主人のゴルフ仲間が集まって2組8人くらいで一緒に回りました。
私はOKをたくさん出してもらいながらではありますが、後半のハーフを54で回ることができました。そのとき私、ポロシャツとキュロットの上に、母に買ってもらったトラサルディの真っ白なトレーナーを着ていったんですね。主人は私より10歳年上ですから、主人のお友達も皆さん大人ですし、当時のゴルフ場は1ラウンド3万円以上したんですよ。
そのプレー代を私の分まで出してもらうのだから、私もちゃんとした服を着ていかなきゃいけないと思い、イタリアの高級ブランドを選んだのです。そうしたらラウンド後の打ち上げで主人のゴルフ仲間の皆さんから、「初ラウンドでいいスコアを出して調子に乗るなよ」ということで、真っ白なトレーナーにめちゃくちゃに落書きされてしまいました。
「コースデビューおめでとう!」みたいなメッセージもあれば、ちょっと下品なイラストもあったり(笑)。一度しか着ていない高級ブランドのトレーナーが二度と着られないありさまになってしまいました。ちなみにこのトレーナー、初ラウンドの記念品ということで今も我が家に保管されています。
そんな洗礼を受けながらも「ゴルフって面白いな」と思い、そこから主人と一緒に行くようになりました。でも、そのころのゴルフは遊びですから、スコアは毎回110から120の間を行ったり来たりで、皆さんと一緒に楽しく回っていた感じでしたね。
>>後編につづく
江口 ともみ
1968年生まれ、東京都出身。短大卒業後に芸能界入りし、グラビアアイドルとして活動。1996年にお笑い芸人のつまみ枝豆さんと結婚。結婚後は司会やナレーターとしての活動がメインになり、テレビやラジオなど数々の番組に出演。幅広い活躍を続けている。ベストスコア82
週刊ゴルフダイジェスト2024年12月3日号より