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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみてVol.143「朝イチショットの最大のコツは“100%ミス”と思うこと」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

アベレージゴルファーにとって一番の敵は朝イチショットである。久しぶりのラウンドだと当たるかどうか不安だし、コンペだと後ろで人がガッツリ見てるし、とにかく気持ちが不安定になりがちだ。その状況をいかに乗り切るか!? それが、その後の運命(スコア)を大きく左右する。攻略するには、力まないように「8割の力で振る」とか体が回転しやすいように「スタンスを狭くする」といったアドバイスがあるけど、ボクからのアドバイスはこちら。

「朝イチのティショットは絶対にミスする!!」と思うことである。それが嫌なら、こう言い換えよう。
「朝イチのティショットは成功確率0%である!!」。

えっ、どっちにしても不吉だって!? そんなことない。現にハンディ+3のボクはいつもそう思っている。結果、まったく緊張しない。変に気合が入ることもない。だって、どう頑張っても100%ミスするんだから。

まぁ、ラウンド前は100を切りたいとか、90を切りたいといった期待もあるだろう。そのためには、ティショットをそこそこ飛ばして、セカンドもそこそこ飛ばして……なんてイメージも描いているだろう。
それはそれでいい。考えるのは楽しいことだしね。でも、朝イチのティショットに関しては、期待は一切持たないこと。これが鉄則である。

朝イチのドライバーショットは必ずミスする、と自分に言い聞かせる。最低ラインから始めると、どんなミスをしてもそれ以上、気持ちが落ちることはない

考えてみて。100%ミスすると思って、実際ミスするでしょ。そしたら「ほらね、いつも通りや」って思うだけ。万が一、そこそこ当たったら「ええやん、今日イケるかも」って気分になる。つまり、当たっても当たらなくても、テンションは下がらないってこと。テンションとスコアは概ね比例するから、これが大事。フローチャートにするとこんな感じ。

100%ミスする(テンション0)→チョロ気味だけどフェアウェイキープ(テンション50に上昇)→セカンドでグリーンオン(テンション80に上昇)→パー(テンション100)

逆に「朝イチはナイスショットしたい!」あるいは、ナイスショットは高望みとしても「フェアウェイはキープしたい」なんて期待を持つと……とんでもなく当たらなかったときに、テンションがダダ下がりとなってしまう。フローチャートにするとこんな感じ。

真っすぐ飛ばすぞ~!(テンション100)→右に大きく曲げ林(テンション50に下降)→セカンド出すだけ(テンション30)→アプローチでチャックリ(テンション0)→3パットでトリ(テンションマイナス)。

0から始めると上がる一方だし、100から始めると下がる一方。実際、ボクは1番のティショットでチョロを打ち、その後もワチャワチャして10だったけど、上がってみれば72というときがあった。それができたのは技術ではない。

「朝イチは絶対ミスする」と思っていたからだ。というわけで、みなさんも「朝イチは絶対ミスする!」という強い信念を持ってやってみて(笑)。


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2020年2月18日号より