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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.187「スピンを減らすコツは“チョロ~ン”と打つ」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Masaaki Nishimoto

前回のお話はこちら

アマチュアの人は、グリーン上でチッ、チャチャチャといったスピンが入るアプローチを打ちたがります。

グリーンが、急ブレーキをかけられる硬さとか、刈り高とか、あと風の影響などスピンが有効な状態ならいいですけど、そうとばかりとは限らないですからね。オールマイティに対応が利くのは等速で飛ばす転がしのほうです。

それでもスピンが利いた球を打ちたがるのはなぜでしょうか。


アプローチでもショットでも、スピンはクラブを上から強い力で叩くからかかるわけで、それをソロ~ッとクラブを上げてチョロンとお尻をなでるように打つとスピンは減って球は安定した球になる。でも、それじゃゴルフをした気にならんのですよ。「おのれぇ、こらぁ~」、バ~ン! と打たんと、ゴルフをした気にならん人が多いんです。

しかし自分が気持ちよくバーンとドライバーを打っておきながら、スピン量が多くて距離を損したなんて言うてるやつもおる。スピンを減らしたいなら、「おらぁ~!」いうのをやめて、「チョロ~ン」という球を打つ練習をすればいいんです。

とりあえず、1球10円の練習場で100球くらいホワァ〜ンという感じの、スピン量の少ない放物線を描く球を打ってみる。たとえばピッチングウエッジとかで70ヤード、80ヤード、90ヤード、100ヤードと放物線をちょっとずつ大きくしていく練習をするわけですが、このときに、インパクト重視で距離を伸ばそうとするとスピンがかかってしまうから放物線になりません。

だから、30%、60%、90%と3等分に分けて放物線の距離を少しずつ増やす練習をすればいいんです。「5番アイアンで200ヤード飛ぶねん」言うとる人は、それを3等分して、65ヤード、130ヤード、195ヤードをゆっくりと飛ばすわけです。

そうやって強く叩くのではなく、まったりと距離を伸ばしていく練習をしたら、スピンのコントロールがわかるようになってきます。

スピンのコントロールができるようになると、練習場で距離表示が出る機械を見ながら、ドライバーで185ヤードにキャリーして、そこから70ヤードランでトータル255ヤードというような打ち方もできるようになってきます。

「まったりと距離を伸ばしていく練習が大事です」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2024年7月30日号より