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【ゴルフイップス解体新書】#6 イップスに陥りやすい人の特徴とは?

一度かかってしまうと直すのが極めて難しい「イップス」。メンタルコーチの石井亘氏によると、イップスにかかりやすい人にはある共通点があるという。

前回のお話はこちら

GD ここまで5回にわたって、イップスの原因やメカニズムについて教わってきました。具体的な克服の方法に移る前に、今回はイップスに陥りやすい人の特徴について伺いたいと思います。

石井 そうですね、性格的なことで言うと、“何でも気にしすぎる真面目な人”は、多少イップスになりやすいかもしれません。

GD 何でも気にしすぎる真面目な人……。

石井 はい、何かが気になると、とことん同じことを続けるタイプと言ってもいいでしょう。

GD 反復練習を黙々と続けられる人は上手くなりそうなイメージですが。

石井 反復練習は諸刃の剣で、やり方を間違えると“過剰学習”につながります。自分の苦手な番手を自力で克服しようとして、ひたすら打ち込んだりしませんか?

GD 6番アイアンでシャンクが出た日は練習場で6番アイアンをひたすら打ち込みます。

石井 気になりますものね(笑)。ラウンドで起きたミスをすぐに練習で修正することは上達に必要です。ただ、「焦り」や「恐怖心」を抱えたまま練習すると、その時点でストレスを自分で作り出していて、腕や首に力が入った状態で球を打つことになります。これは20kgのおもりを背負ったまま練習しているようなもの。脱力した正しい動きが身につくはずがありません。

GD むしろ間違った動きを自分でどんどん強化しているようなものですね。

石井 そう。力を入れながらやみくもに練習していると、どんどん悪い動きが身についてしまう。そして悩みが深ければ深いほど、スウィングで力が入りやすくなります。

GD よく言う「下手を固める」ってやつですか。

石井 下手を固めるだけならまだいいのですが、イップスをさらに複雑化させてしまいかねないのです。

GD じゃあ練習はむしろしないほうがいいと?

石井 極論を言うとそうです。ラウンド中、6番アイアンでシャンクのような「突発的なミス」が出た。じゃあしばらくその番手は放置しておこう――このぐらい楽観的な人はイップスにかかりにくいです。

GD でも、つい練習しちゃうんですよね……。

石井 ゴルフが好きな人ほどそうですよね。だから性格だけではないと思うんです。知り合いのプロでこういうことがありました。そのプロは、ドライバーが曲がったことがないというぐらい得意だったんですが、ある試合でドライバーが曲がってしまった。それまでは練習場でドライバーなんか打ったことがないという感じだったのが、朝の練習場でドライバーを打つようになったそうです。すると、練習場では曲がらないのに、試合ではもっと曲がるようになってしまったと。

GD それまで何も考えずに打てていたものが、考え出したために分からなくなってしまったという感じですかね。

石井 ええ。結果論ですが、たとえ2~3試合ドライバーが曲がっても、気にせず何もしないほうがよかったと思います。

GD プロだと余計に、「何もしない」というのは勇気がいりそうです。

石井 そうですね。しかしそこで“なんとかしなきゃ”と思って練習すると、先ほども言ったように逆効果になる恐れがあります。我々アマチュアも、よく練習しているときは調子が悪くて、しばらく練習もせず、久しぶりに回ったときに意外と調子がいい、ということがありませんか?

GD あります。ラウンド久しぶりだな~というときに限って、力も抜けてスコアも良かったり……。

石井 これまで上手くできていたのに、突発的に調子が悪くなったときは、たまたま起きたものと捉え、しばらくそのクラブの練習をやめる! これがイップスを寄せ付けないための鉄則です。

GD 肝に銘じます!

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石井 亘

いしい・わたる。ゴルフ好きのメンタルコーチ。「本来の力を発揮させる!」を信条に、20年にわたり、プロやテスト受験生、アスリート、音楽家、医師、経営者、中高生など1000人近くを指導。「メンタルトレーニング石井塾」主宰