【林家正蔵の曇りのち晴れ】Vol.301「炭水化物ダイエットの巻」
薄着になり、自然と体形も気になる季節。炭水化物抜きダイエットや加圧式ダイエットなど数多くのダイエット方法が紹介されていますよね。いきなり「-10kg」と思うよりは1駅分歩いたりエスカレーターを使わないで階段を使ったりと少しの意識でできることから始めてみようと思います!
ILLUST/Chuji Aoshima
飛距離が落ちてダイエットを決意
ダイエット中である。朝のウォーキングをしているものの、一向に体重が減らないのである。理由は簡単だ。よく食べているからである。とにかく飯が旨くてしょうがない。そのうえ酒もよく飲む。ビールも旨い季節! さらに、近頃凝っているのが市販のレモンサワーに梅干しを入れ、そいつを氷をザクザク入れた大きめのグラスで飲むこと。少々焼酎を足すのが私の流儀だ。この飲み物は、食べ物すべてに合う。串揚げ、餃子、ホルモン等々。特に高カロリーで油ギトギト系の食べ物にはピッタリ。だから痩せるわけがないのだ。
友人は言う。「痩せると飛距離が落ちるぞ!」と。しかし、近頃のゴルファーはスリムな細マッチョが多い気がする。これは食いしん坊の言い訳だが、ラウンドしていてもカートを使わずに歩くようにしている。息が切れる。同じコースでも以前に比べると、ハァハァと息使いが荒くなっている。「俺太ったかな」と聞くと「痩せたんじゃないか?」という返答をされることが多い。しかし体重計に乗ると確かに3キロ近く太っている。つまり腹周りにぜい肉がつき、首から下のぜい肉が垂れ下がってきているのだ。
簡単に言えば、年を取った証である。しかし朝のウォーキングは欠かさないようにしている。ウォーキングをすると腹が減るから、結果食べる飲むの日々。250ヤードのドライバーの飛距離が240ヤードぐらいに落ちてしまった。インドアのスクリーンに映る、シミュレーションゴルフでも以前よりも数字が上がらない。200ヤードのパー3も今までは7Wでいけたのに5Wを使うようになった。ベルトの穴がひとつ増えると寿命が短くなると言われているが、飛距離が落ちてクラブの番手を上げなくてはいけないのも命が縮む思いがする。
キャベツ作戦決行
スリムな腹周りで飛距離アップ
そこでダイエットに成功した友人にコツを聞くと「炭水化物は夜に食べてはならぬ」とのこと。「おいおい、何が楽しみといえば夕食をたっぷり食べるのがいいんじゃないか」と言うと「だまされたと思ってやってみろ」と言う。
そこで始めたのが炭水化物を食べないでいかに自分をごまかすかという戦法。あるダイエット本に書いてあった、キャベツ作戦である。まずご飯と麺を食べず、とにかく食事のスタートはたっぷりのキャベツを食べること。千切りキャベツを生で山盛り。ドレッシングを毎日替えると飽きないもので、生の千切りが飽きたら茹でキャベツにしておひたしにする。あっさりとしていてこれもよし。キャベツにカイワレ大根やパクチー、水菜、ほうれん草、サニーレタス、時にフレッシュマッシュルームなどを合わせるのも楽しい。すると恐ろしいものでメインの肉や揚げ物の量も減る。これを60日間続けた。
もちろん焼き肉屋に行ってもご飯は食べない。白いご飯にカルビをのせて食べているやつが憎くてしょうがない。冷麺のハーフサイズならばとささやきも聞こえるが耳をふさぐことにする。「おい、ラーメンで締めて帰ろうよ」と言った友人の声も聞こえないふりをして家路につく。「今頃あいつら、旨いラーメンを食っているんだろうな」と、うらやましくなるのだが、痩せる、そして軽くなった体で腹周りをスリムにしていいスウィングをしてボールを飛ばすのが目標なのだ。
作戦成功
嬉しくてつい焼き肉を食べまくる
するとなんと2カ月で5キロ痩せた。肉、魚、野菜は取っているのだが、炭水化物を取らないだけで5キロも痩せたのだ。ダイエット祝いにゴルフへ行こうと誘われた。朝はヨーグルト。トマトジュース、ゆで卵のみ。スタートホールのドライバーは絶好調にて他の3人よりも飛んでいる。キャディさんに聞くと、260ヤード近くまで飛んでいますとの答えである。アイアンの番手も元に戻る。2オーバーで前半を上がる。
胃が小さくなったのか、昼食はハンバーグとサラダ。もちろんパンもご飯も食べない。ビールも飲まずにアイスティー。ラウンド後にサウナに入り体重計に乗ったら約1キロも落ちている。嬉しい! しかもその日は80ピッタリのスコア。もう嬉しくて嬉しくて。これだったらもう少々の炭水化物もよかろうと、東京に戻り焼き肉をたらふく食べた。久しぶりに締めは白飯にカルビ。タレをたっぷりつけてハフハフとかき込む。もちろんビールもたっぷり飲んだ。
翌朝、体重計に乗ると3キロも増えていた。この原稿を書き終えたら、スーパーにキャベツを買いに行く。またキャベツ戦法が始まる。間違ってもカレーの王様でカツカレーなどを食べずにいよう。でも旨いんだよなぁカツカレー。何かいい方法はないですか、読者の皆さま、教えてください。
夢にまで見た マイナス6キロ ゴルフも上々
月刊ゴルフダイジェスト2024年8月号より