オーガスタ最大の難所“アーメンコーナー” 名前の由来は?【明日使えるゴルフ用語】
普段当たり前のように使っているゴルフ用語だが、その成り立ちや意味を問われたときに、正しく返せるだろうか? ここではラウンド中の会話やゴルフ仲間とのやりとりで使える、ゴルフ用語にまつわるうんちくを紹介する。
アーメンコーナー【Amen Corner】
マスターズの中継を観ているとよく聞く単語のひとつに「アーメンコーナー」がある。アーメンコーナーとは、マスターズトーナメントが開催されるオーガスタナショナルGCのバック9、11番から13番ホールまでのことを指す。
名付け親は、アメリカ人ライターのハーバート・ウォーレン・ウインド。1958年、アーノルド・パーマーがメジャー初優勝を飾った年、「スポーツ・イラストレイテッド」誌に掲載された文章の中で使われたのが最初だ。
アーメンコーナーという言葉自体は、当時のジャズのタイトル「Shoutin’ in That Amen Corner」に由来する。ウインドはパーマーが難しいこの3ホールを、神がかり的に攻略するさまを観て、この言葉を選んだ。
アーメン・コーナーの3ホールの中でも、パー3の12番は、毎年ドラマが生まれることで有名。1958年の大会でも、パーマーが一度はダブルボギーとした後、ローカルルールによる救済を主張して別のボールをプレーし、そのスコア(パー)が認められて優勝したという“事件”が起きている。その年、2打差で2位に甘んじたケン・ベンチュリは、のちに刊行された本の中で「パーマーがいかさまをした」として、批判している。
ちなみに、ジャズのタイトルとなった「アーメンコーナー」だが、こちらは1900年頃のニューヨーク市に実際にあった一角を指している。そこには聖書の製本工場があり、通りがかりの信心深い人が日々祈りを捧げ、いつも「アーメン」の声が聞こえることからそう呼ばれたという。