【名手の名言】ベン・ホーガン「ミスショットの弁解は、あなたの友を苦しめるだけでなく、自分をも不幸にする」
レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は稀代のショットメーカーとして知られる伝説の名手、ベン・ホーガンの含蓄のある言葉を2つご紹介!
ミスショットの弁解は
あなたの友を苦しめるだけでなく
自分をも不幸にする
ベン・ホーガン
稀代のショットメーカー、ベン・ホーガンはアイスマンのニックネームもあるとおり、冷静沈着・無口の人で常に完璧を求めた。
親善試合でも同伴競技者がただオンしただけでは何もいわない。ピンが左に切ってあってドローボールで攻めたときのみ「グッド」と発し、1ラウンドでその一言だけだったというエピソードも。
そんなホーガンだけに、プレーに無駄口は必要ないし、弁解など聞き苦しいというわけだ。またその弁解を聞きつけた同伴競技者は、気を遣って慰めを言わなければならなくなったりする。同伴競技者にとってもはた迷惑なのである。
日本アマチュア選手権に6回勝ち、アマ界の至宝とうたわれた故・中部銀次郎氏も言っている。
「ゴルフで余計なことは、言わない、しない、考えない」
そういうことが上達を助けると。無駄口、弁解の類は百害あって一利なし。
人間のスウィングは
不純物に汚されているので
ボールをたくさん打って
洗練させなければならない
ベン・ホーガン
ホーガンは、手のひらが血で真っ赤に染まるほど練習の虫だった。
「試合で勝つことより練習が楽しかった。3日休めば、元に戻すのに3カ月かかる気がして毎日練習したんだ」と自伝で述べている。
ホーガンがツアーに出ていたころは、練習とは、朝カラダをほぐすくらいの感覚でしかとらえられていなかった。
試合が終わるとシャワーを浴び、酒を飲み、ポーカーに興じるというのが当時のプロたちのライフスタイル。それをホーガンが変えた。ラウンド後もホーガンを真似て、練習場に足を運ぶプロが散見されるようになったのだ。
ホーガンは19歳でプロになったが、活躍し始めたのは30代半ばを過ぎてから。結果が出ても出なくても、日々研鑽に励み続けた。
その結果、「私はクラブフェースの3つ目の溝で打つようにしている」との境地に達する。
ホーガンは天才というより、孤高の努力の人なのである。
■ベン・ホーガン(1912~97年)
米国テキサス州生まれ。19歳でプロ入り。173センチ、74キロと小柄ながら稀代のショットメーカーとして名を馳せた。全米オープン4回、マスターズ2回、全米プロ1回、全英オープン1回の優勝歴を持つ。一時、再起不能といわれるほどの自動車事故に遭いながら、奇跡のカムバックを果たしたことでも知られる。不屈の闘志、アイスマンと称された冷静沈着なプレーで、53年には全米、全英両オープン、マスターズと勝利し、同年グランドスラムのチャンスだったが、全米プロには重きを置かず不出場。ボビー・ジョーンズと並び称される最強のゴルファー。
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