ゴルフをこよなく愛する著名人に、ゴルフとの出合いや現在のゴルフライフについて語ってもらうリレー連載「ゴルフせんとや生まれけむ」。今回の語り手は、 元野球選手の佐々岡真司氏。

僕がゴルフに興味を持ったのは中学生のときでした。友達のお父さんがゴルフをしていて、お古のクラブを2～3本もらったんです。パーシモンのドライバーとか3番ウッドだったと思います。クラブをもらったらボールを打ってみたくなるじゃないですか。中学校のグラウンドで誰もいないときに遊びでボールを打ったのが初めての経験でした。

それと、僕の地元は島根県浜田市金城町というところなのですが、家の近くに金城カントリークラブというゴルフ場がありました。そこにまったく使っていない2ホールがあったんです。使わなくなったホールなので芝生はボロボロですが、グリーンもある程度残っていました。そこに簡単に出入りできたので、友達と一緒に2ホールを回って遊んだりしていました。時代ですね。

高校に入ると野球部の活動が忙しくてゴルフをしているヒマはありませんでしたが、高校を卒業して社会人野球のNTT中国に入ると、忘年ゴルフが1年に1～2回ありました。そのときに初めて自分のクラブを買いました。野球の練習で通っていたバッティングセンターの人に薦められたマルマンのセットを買った記憶があります。

中学時代から興味を持っていたこともあり、ゴルフは最初から面白かったですね。初ラウンドが110か120くらいで、それより悪いスコアで回ったことはありません。20歳前後には100を切っていましたし、そこから90を切るのもそんなに長い時間はかかりませんでした。ドライバーがとにかく飛んでいましたし、寄せとパターも好きでしたから、スコアメイクには苦労しませんでしたね。

22歳でプロ野球に入ってからは、常に70台を目指してプレーしていました。70台で回るとコンペで優勝争いに絡んだり、ベスグロが取れたりしました。チームのコンペでよく優勝していましたね。広島はゴルフ場が近くにあるので、オフになった11～12月はゴルフばかりしていました。プロ入り1年目のオフはテレビ局主催のプロ野球12球団対抗戦もありました。そのとき一緒に回ったのが古田（敦也）さん、野茂（英雄）、清原（和博）です。古田さんと野茂はドラフトの同期で、清原は同学年です。メンバーがすごすぎて笑いましたね。

選手時代は野村謙二郎さん、緒方孝市、西山秀二とよく一緒に回っていました。前田（智徳）と一緒に回ることもありましたけど、彼はレベルが違いましたね。フェアウェイの真ん中に飛んでも首をかしげているんです（笑）。野球と一緒で自分のプレーに対する理想がものすごく高かったです。

一方で、金本（知憲）、新井（貴浩）、黒田（博樹）は選手時代、ゴルフがそれほど好きじゃなかったんですよ。でも選手を引退して解説者になるとみんな上手になりますね。逆に僕は15年から22年まで8年間、コーチと監督でユニフォームを着ていましたから、その間はゴルフがあまりできませんでした。ここ1～2年はシャンクが出るようになり、コロナの流行とともにゴルフのスコアが沈んでいきました（苦笑）。

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佐々岡 真司

ささおか・しんじ。1967年生まれ、島根県出身。89年ドラフト1位で広島に入団。1年目から13勝（11敗）17セーブを挙げ、セ・リーグ会長特別賞を受賞。その後も先発と抑えで活躍し、現役生活18年で138勝106セーブ。20～22年に広島の監督を務めた後、現在は野球解説者

週刊ゴルフダイジェスト2024年1月23日号より