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【名手の名言】ボビー・ロック「パターは生涯の伴侶。浮気者に名手はいない」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は南アフリカ初のメジャーチャンピオン、ボビー・ロックの言葉を2つご紹介!


パターは生涯の伴侶。
浮気者に名手はいない

ボビー・ロック


替えるべきか? 替えざるべきか? ことパターに関してはゴルファーの数だけ悩みがあるといえよう。しかし古今東西、パット名手と呼ばれる人は、1本を使い続ける派が多い。

ボビー・ロックも例外ではない。5歳でゴルフを覚えて間もなく、父親の友人からもらったヒッコリーシャフトのL字パターを寝食も共にするぐらい大事にして、ついに生涯そのパターを手離すことはなかった。

1938年に20歳でプロ転向し、豪州、ニュージーランド、英国を転戦、2年間で7勝を挙げたとき、18ホールのパット数がただの一度も28を超えなかったというからすごい。

打ち方も、極端に右を向いて構える独自のスタイルを貫き、強烈なフック回転を与え、芝目に負けない球を打っていた。

入らないと、道具も打ち方もとっかえひっかえしたくなる気持ちは分かるが、名手ほど、自分がこれと見つけたスタイルを大事にするものだ。


どんな優れたプレーヤーでも
幸運の援助がないと勝てない。
私の推算では熟練が80%で
幸運が20%!

ボビー・ロック


ラッキーがないと勝てない……。この言葉は多くの名手・達人が口にするが、パーセンテージにして表現したのはロックが初めてだろう。

ロックは全英オープンに4回も勝っているが、非常に緻密な攻め方をするプレーヤーで、通常はドライバーを用いるホールでのティーショットを、彼ほどアイアンで打った選手はいなかった。

いくらビッグドライブでも、リンクスでは跳ね方によってラフやポットバンカーにつかまる、不運というべき確率が高くなる。アイアンを握ることで、そんな不確定要素を可能な限り排していけば、幸運を呼び込むきっかけになるのではないか、というわけだ。

ロックは、1950年のロイヤルトゥルーン、1952年のロイヤルリザムでの全英オープンでは一度もドライバーを使わずに勝利を飾った。表題の言葉は自身の著作「ゲームに勝つ法」にみられる。

■ボビー・ロック(1917~1987年)

南アフリカ生まれ。本名はアーサー・ダーシー・ロック。父親は北アイルランドからの移住で、運動具店を家業にして成功。その父親から球聖ボビー・ジョーンズの本を与えられ、薫陶を受け、18歳で南アオープンに優勝。38年プロ入りした年にニュージーランド、アイルランド両オープン、次の年にはオランダオープンを制している。米ツアーへは47年から2年半参戦し、59試合に出て13勝、2位が10回と赫々たる戦績を残している。その後、なぜか米ツアーへは背を向け、49、50、52、57年と全英オープン4回優勝。他にフランス、アイルランド、スイス、ドイツ、エジプト、オーストラリア、メキシコ、カナダの各オープンも制している。

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