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【江連忠のPROJECT E】Vol.242 グレッグ・ノーマン「“逆Cの字”フィニッシュ最後の継承者」

片山晋呉や上田桃子など、数多くのトッププロを世に送り出してきた江連忠が、自身の経験をもとに、レジェンドのスウィングに宿った“本質”を語る!

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroyuki Okazawa、GD写真部 THANKS/オーシャンリンクス宮古島

前回のお話はこちら


●今月のレジェンド●

グレッグ・ノーマン

1955年豪州生まれ。PGAツアー20勝、欧州ツアー14勝。世界ランク1位の期間はタイガーに次ぐ2位。愛称はホワイトシャーク。LIVゴルフCEO


記録も記憶も
残したプレーヤー

ノーマンは331週もワールドランクトップの座にいながらメジャーの勝利数はたったの2回で、最終日に逆転負けすることが多かったために“悲劇のヒーロー”という印象でした。

圧倒的飛距離を出しながらフェアウェイキープ率も高いというドライバーの名手でしたが、ショートアイアンのスピン量が多すぎてスコアメイクが難しかったのではないかと思います。


ニクラスの本でスウィングを学んだというだけあって、縦振りでアッパーブロー、“逆Cの字”フィニッシュというスタイルを継承しています。当時のクラブとボールで高く打ち出すために必要な動きでしたが、現代ではほぼ見られないスウィングです。

高身長と体の強さを生かしたダイナミックな振り方でヘッドスピードを出していましたが、ノーコックで上げ、当時としてはコンパクトなトップ、グリップとアライメントとフェースがオールスクエアという部分で方向性も高く保っていました。

実力もカリスマ性もあるスーパースターだったので、もっと勝ってほしかったです。

どこにも力みがない教科書のような構え

現代の主流といわれているストロンググリップは左肩が上がって力が入りやすいという面がある。ノーマンのようなきれいなスクエアグリップなら力まずに構えやすい

ジャック・ニクラス、トム・ワトソン
から受け継いだ“逆Cの字”

当時の道具でハイボールを打つにはアッパーブローに振る必要があった
アップライトスウィングでウェイトを右サイドに残しながらクラブを高く振り上げるため、フィニッシュで体が反る。当時は飛距離の出るハイボールヒッターに共通する動きだった

江連忠

江連忠

1968年生まれ。東京都出身。高校を卒業して渡米し、ミニツアーを転戦しながらジム・マクリーンに師事したのち帰国。日本のプロコーチ第一人者となり、片山晋呉や上田桃子を賞金王に育て上げた

月刊ゴルフダイジェスト2023年12月号より