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【名物ホールでいつかバーディ】Vol.29 斜めに配された池がプレッシャーをかける。千葉県「中山CC」5番パー3

かつてチョイス誌の編集長も務めたゴルフコースのスペシャリストが日本全国の名物ホールをレポート。今回紹介するのは、千葉県にある中山CCの5番ホール。

中山CC 5番ホール
中山CC 5番

【名物ホールFile 29】

中山CC
5番ホール
197Y(高麗)/166Y(ベント)・Par3

日本の良さを生かしながら
アメリカンテイストを加えた名ホール

今年で62年という歴史を誇る中山CC。コース掛けたのは川奈ホテルGC富士Cで現督を務めた丸毛信勝。丸毛は欧米のリンクスを訪れて芝の研究も行った農学博士だ。川奈の造成からゴルフ場設計に興味を抱き数多くのコースを設計している。

緩やかな起伏を持つ地に展開するコースはメインが高麗、サブがベントという組み合わせだ。名物の5番ホールは197ヤード、レギュラーティーからでも178ヤードと長いが、このホールの難しさは池が斜めに配されていること。このようにウォーターハザードを斜めに横切って攻めるデザインを“ケープ”と呼ぶ。アメリカのゴルフの父と言われているチャールズ・B・マクドナルドが1924年に設計したミッドオーシャンGCの5番ホール(海越えのパー4)が有名だ。

ティーイングエリアで構えると池が斜めに横切り、縦長グリーンの左は池のため少しでも引っかけると池に入れてしまう。斜めに打たせるホールは実に構えにくい。実を言うと、プレーに訪れた日はベントグリーンだったが、ティーイングエリアで「高麗だったら距離は白から178ヤードもあるし、向かい風だし5番ウッドかな」と、いろいろと思いを巡らせてみたのだった。ベントはレギュラーから147ヤードだから7番アイアンで打ったが、わずかにショートして2オン2パットのボギーだった。

ミッドオーシャンGCの5番と中山の5番が同じケープデザインなのは、丸毛博士の遊び心なのだろうか。

中山CC ランチ

ランチもコースと同じくらい刺激的

ランチは名物の牛肉のたまりやきを注文。パンかライスを選ぶことができるのは嬉しい。牛肉はやわらかく、味付けも良く美味しかった。2420円(税込)

中山カントリークラブ

千葉県八千代市桑橋1299
18H・6904Y(高麗)/6695Y(ベント)・P72
コース設計:丸毛信勝


文/吉川丈雄

特別編集委員。1970年代からアジア、欧州、北米などのコースを取材。チョイス誌編集長も務めたコースのスペシャリスト。現在、チョイス誌ベスト100選考委員、日本ゴルフコース設計者協会名誉協力会員としても活動


月刊ゴルフダイジェスト2023年9月号より