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ないと困るけど、ありすぎても困る…… “緑”の下の力持ち「サッチ」って何?【明日使えるゴルフ用語】

普段当たり前のように使っているゴルフ用語だが、その成り立ちや意味を問われたときに、正しく返せるだろうか? ここではラウンド中の会話やゴルフ仲間とのやりとりで使える、ゴルフ用語にまつわるうんちくを紹介する。


サッチ【thatch】


ゴルファーたるもの、プレー中ににっちもさっちもいかなくなることは多々ある(?)が、今回のサッチはその「さっち」とはちょっと違う。

ティショットを終え、フェアウェイを歩く。足元には芝。1日に何人ものゴルファーがそうして踏みつけて通るにも関わらず、芝が折れたり、つぶれたりして枯れないのはなぜか。

それは、1本1本の芝と芝の空間に、「サッチ(thatch)」と呼ばれる芝の枯れくずが堆積して、「サッチ層」を形成しているからである。芝をのぞいてみたときに芝が生えてくるのは地面から直接ではなく、地面とは別の黄色っぽい層になっていることがわかる。これがサッチ層である。

サッチというのは英語で「(屋根の)ふきわら、屋根ふき材料、草屋根」という意味。サッチの大部分は、芝の根元側で伸びた茎や根の枯れたもので、芝を刈った時に出る刈りくずも一部サッチとなる。サッチ層があることで、芝は踏圧に耐えることができ根が守られる。さらに、地面が硬くなりすぎないので、プレーしやすい環境となる。

しかし、サッチが堆積しすぎると、根に水分や空気が行き届かなくなるため、芝の生育が悪くなる。また、排水も悪くなり、内部に湿気がこもって芝を枯らす病原菌の温床となるため、定期的にサッチを掻き出す作業が必要である。

ちなみに、主にグリーンで行う「エアレーション」の作業は、このサッチを取り除くことが第一義的な目的である。サッチ層を縦に切ったり、くり貫いたりすることで、通気性や水捌けの改善を図るのだ。