【只今コージ中!】Vol.109 ゴルフにも行ける驚愕プチスーパーカー! トヨタ・新型「プリウス」の実力は?
ゴルフ好きの自動車ジャーナリスト・小沢コージがゴルフに最適なクルマを求めて奔走する連載「小沢コージの只今コージ中!」。第109回はトヨタ「プリウス Z E-Four」の実力をチェック!
PHOTO/Takanori Miki THANKS/加茂GC
おお、なんという前衛的ペッチャンコフォルム!! ある意味、トンデモない時代がやってきました。あの、燃費はイイけどちと奇抜で人良さげだったエコカー代表プリウスが5代目にして大変身。超スタイリッシュでイケてるボディをまとってプチスーパーカー化しちゃいました。
最大のキモはボディデザインで旧型より40mm低くなったルーフ高と、異様なフロントウィンドウの寝かせっぷり。ボンネットから窓まで一直線に繋がっており、普通あるべき跳ね上がりがありません。実際、ウィンドウの傾き角はイタリアンスーパーカーで知られるランボルギーニとほぼ同等レベルとも言います。
その分、当然ながら乗員の乗り降りはし難くなりますし、特に身長デカめの成人男子が乗りこむ時にはカラダを屈めないと開口部上に頭をぶつけてしまうはず。しかしその分カッコは良くて、これで彼女をゴルフデートで迎えに行ったら、これなに? どこのクルマ? と驚かれること請け合い。アルファロメオのエンブレムでも付けてたら「イタリア車なの?」とカン違いされちゃうかもしれません。
しかもその愛され性能は姿だけではありません。走りの質もそうで、パワートレインは旧型の進化形の1.8Lハイブリッドと、新作2Lハイブリッドが選べ、FFモデルのシステム出力はそれぞれ140psに196ps。旧型は122Lだったのでどちらも大幅に増しています。加えて、2Lモデルには搭載電池量を増やしたプラグインハイブリッドもあり、そちらは223psとさらにパワフル。
実際に乗ってみると過激な出足を自慢するタイプではなく、大人っぽく全体的に加速するタイプ。ハンドリングも同様にしっとりキモチ良く曲がります。いろんな意味でモテる味わいなのです。
スタイルや走りに振った分、燃費は旧型ほどではありません。しかしそれでも1.8Lハイブリッドが32.6km/L、2Lモデルが28.6km/Lと十分。新型プリウスは、今までのように燃費最優先のエコカーではなく、かつてないスーパーカー的性能を加えたマルチな愛されエコカーへと進化したのです。気になるキャディバッグ積載力は2本とほどほど。
さあ、まだまだ煩悩が抑えられないアナタ! 欲張り新型プリウスで、かつての禁欲的エコカーとは思えないセクシーゴルフデートを楽しんでみませんか?
(左)先代モデルよりも小さくなったラゲッジ容量。とはいえ、リアシートを倒さなくても2本の積載が可能。3人で行く場合は片側リアシートを倒そう/(右上)大型12.3インチタッチディスプレイや、トップマウントメーターを搭載/(右下)薄型一文字リアランプ、センター配置の車両エンブレムでスポーティさが生まれた
トヨタ
プリウス Z E-Four
全長×全幅×全高/4600×1780×1430mm
メーカー希望小売価格/370万円~
週刊ゴルフダイジェスト2023年7月4日号より