ゴルフのカップの直径は何ミリ? 絶妙なサイズは“意外なモノ”によって決まった【ゴルフの数字】
4人1組、1ラウンド18ホール、パー72……ゴルフにまつわるいろいろな数字。知らなくてもゴルフはできるけど、知っていればゴルフがもっと楽しくなる! 今回は「カップの大きさ」にまつわる歴史を紐解いていく。
ゴルフ用具のサイズにはさまざまな規定があるが、グリーン上のカップ(ホール)の大きさにも決まりがある。パッと答えられる人はかなりのゴルフ通。
正解は、直径4.25インチ=約108mm。
サッカーのゴールやバスケットボールのリングなど、ゴールのサイズは実によくできていて、これよりも大きくても小さくてもしっくりこないという絶妙な大きさになっている。ゴルフのカップもそうで、この大きさだからこそ、ゴルファーはパットのたびに一喜一憂させられる。
では、この108mmという絶妙なサイズは、いったいどのようにして決まったのか。ゴルファーの持つ「煩悩の数」というわけではもちろんなさそうだ。
実はカップの大きさは、「セントアンドリュース市の水道管のサイズ」に由来する。
19世紀後半まで、グリーン上のカップは単にスコップで土を掘り返したものにすぎず、大きさはコースによってまちまちだった上、ラウンドが進むにつれて崩れてしまうという難点があった。
そこで、セントアンドリュースのグリーンキーパーで全英オープンを4度制した名手トム・モリスが、水道管を適当な長さに切って地面に埋め、カップとした。
やがて、これが定着し、1891年にはR&Aが、カップの直径を正式にこの水道管のサイズと同じに定める。その直径が4.25インチだったというわけだ。ちなみに、いまでもセントアンドリュース市の水道管のサイズは4.25インチなんだとか。
セントアンドリュース市の水道管のサイズがもう少し大きければ、ゴルフはもう少し簡単になっていたのかもしれないが、これほどまでに悩み、考え、また何度でもチャレンジしたくなる面白い遊びにはなっていなかっただろう。ゴルフの聖地から生まれた偶然の産物に感謝したい。