【大人ゴルフの歩き方】Vol.28 新「ハーフ&ハーフ」ゴルフの醍醐味
スコアだけがゴルフじゃない! コラムニスト・木村和久が独自の視点から現代の正しいゴルフの在り方を指南。
ILLUST/Shinichi Hoshi
第28講 新「ハーフ&ハーフ」ゴルフの醍醐味
①ゴルフはコスパとフットワークよね
②ゴルフもピザもハーフ&ハーフ?
新ハーフ&ハーフゴルフとは?
ちょっと前にハーフ&ハーフゴルフが提唱されましたが、浸透前に廃れてしまいました。ハーフセットでハーフラウンドするちょいゴルフは、理想のコスパ&時短プレーでしたが、現実にそぐわないようです。いったい何がいけなかったのでしょうか? ハーフセットは良いけれど、大の大人が丸1日仕事を空けてゴルフ場まで行き、ハーフだけやって帰るなんて、もったいないのです。可能なのは家や職場の近くにゴルフ場がある選ばれた人たちのみです。
というわけでコロナ明け、新ハーフ&ハーフゴルフのあり方を模索します。まずハーフセットの考えは基本的にオーケー、問題はハーフラウンドです。これを18ホールプレーするとして、代わりに何をハーフにするか? 答えはショットです。つまりもうひとつのハーフは、スリークオーターやハーフショットなど多彩なショットをすることです。
今後はハーフセットでハーフショットを実践し、コスパ&腕前向上のゴルフを目指すべきです。それなら支持されるかもしれません。それでは具体的なプランを考察してみましょう。
●ちょいゴルフ
ちょいってのは、仕事の合間にマッサージやシミュレーションゴルフをやり、また戻ることですねん
●仕事を空けて
例えば早朝ハーフをやって、午後から仕事なんて器用なことやれますか? 普通は無理です
●選ばれた人たち
“フェアウェイフロント”といって、コースの周りが住宅地、別荘地になっているゴルフ場があります。そういう人がちょいゴルやるのよ
●多彩なショット
すべてのクラブを満遍なく打つよりも、好きなクラブを絞って、工夫して打つほうが効果的。今までそういう機会がないだけ。ハーフセットラウンドは上達しますぜ
コスパ良く腕前UPで一挙両得
ハーフセットで身軽にラウンドしようと、メディアが啓蒙するわりには、みなさん、がっつり14本を入れてゴルフをしたがります。叩くのが心配なんですね。建前と本音が違うのは世界の軍縮会議レベルですよ。
やはりクラブ7本ラウンドは不安なので、許容範囲を10本程度にしましょう。これは直径7~8インチの軽量ゴルフバッグなら入る本数です。
軽量キャディバッグ使用なら、少ない本数でも諦めがつくでしょう。そうなれば持ち物も軽量に。まずスパイクレスシューズで家から靴を履いたままコースに行きましょう。そしてゴルフウェアや着替えをキャディバッグに忍ばせれば、ボストンバッグなしで移動できますよ。
せっかくの軽量バッグのみなら、いっそ電車ゴルフをしましょうか。今は宅配便の料金が値上がりして、往復4000円も取られる時代、バッグの電車持ち込みゴルフは、非常に経済的です。
車派の人も高速道路に乗って県をまたぐと、高速料金がすげえ取られます。近所以外は電車ゴルフがいいです、帰りにお酒も飲めますよ。
ラウンドで使うクラブは、本数が少ないのでアイアンなら5番、7番、9番と歯抜け状態になります。今までフルショットで距離計算をしていた人は、7番のスリークオーターショットなんて、力の加減が難しいと嘆きますが、困惑するのは最初だけ。慣れればスリークオーターやハーフショットが、いかに簡単でミスが少ないかがわかるというもの。もはやショートホールで、アイアンの番手自慢する時代は終わりました。結果が全てなのです。我々が働いている会社だって社員が14人いたら、実際に働いているのは4~5人で、後はサボリ三昧で給料泥棒と言われているでしょう。ゴルフクラブも同じことです。ラウンドで活躍するクラブは半分程度ですよ。
新ハーフ&ハーフゴルフでリーズナブルに、そしてフットワークの軽いゴルフを目指したいですね。
●叩くのが心配
心配性の人は、クラブは14本あっても足らないと思うんですよね。そのわりには実際、全部使いこなしてないのが実情
●スパイクレスシューズ
街も歩けるゴルフシューズが人気。最近はスニーカーと見分けがつかなくて、ゴルフ場の入り口でバレることはまずないです
●往復4000円
月1回宅配便を使って、往復でコースに送っても年5万円の出費。だったら軽量バッグを担いで持って行ったほうがいいかも
●フルショット
短いクラブほどフルショットは難しい。速く振ってしまうから。あえてそれをやるかね
●活躍するクラブ
一度、ラウンドの時、使用クラブをメモってみるといい。一度も使わなかったクラブが出て来ますぜ
今月のまとめ
頻繁に使うクラブは上手になり、
使わないクラブはますます下手になる。
ならば苦手で使わないクラブを
コースに持っていく必要性はないですよ。
めざせクラブのリストラ
教える人/木村和久
ゴルフ歴32年のコラムニスト。ベストスコア75、2001年鶴舞CCキャプテン杯優勝。『89ビジョン』など新しいゴルフの楽しみ方を様々提案する自称「ゴルフ生活評論家」
月刊ゴルフダイジェスト2023年7月号より