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「前の木が邪魔で狙えない=スタイミー」昔はちょっと違う意味だったって知ってた?【明日使えるゴルフ用語】

普段当たり前のように使っているゴルフ用語だが、その成り立ちや意味を問われたときに、正しく返せるだろうか? ここではラウンド中の会話やゴルフ仲間とのやりとりで使える、ゴルフ用語にまつわるうんちくを紹介する。


スタイミー【stymie】


ティーショットのポジショニングが悪く、次打でグリーンを狙おうとすると、立ち木やコースサイドの林が邪魔してストレートには打っていけない。

こんな場面に遭遇したとき、「前の木がスタイミーだ」という表現を使ったりする。

この場合の「スタイミー」(stymie)は、単に「邪魔なもの」といった意味。ところがこの言葉には、単に邪魔なもの、という意味ではなく、もう少し明確な意味があった。

それは、グリーン上で「カップと自分のボールの間に、相手競技者のボールがある状態」のこと。

現在、ゴルフの競技は18ホール全体のスコアを競うストロークプレーが主流だったが、かつては同伴プレーヤーと1ホールごとの勝敗を競うマッチプレーが主流だった。

そしてそこでは、たとえ自分のライン上に相手のボールがあったとしても、現在のようにピックアップを要求することができず、当たらないように迂回してパットするか、はたまた相手のボールの上を越して打っていくほかなかった。

このルールは、1952年にルールブックから削除されたが、それまでは、シングル・マッチプレーにおいて極めて一般的なものだった。従って、マッチを有利にするために、自分のボールをわざと相手の「スタイミー」な位置にパットするという戦略も、日常的に用いられた。

ちなみに、この「スタイミー」規定には例外があり、お互いのボールが6インチ以内の距離にある場合は、相手にピックアップを要求できた。今でも、スコアカードの横幅が6インチ(約15センチ)になっていることがあるが、これは、スコアカードを簡易定規としてボール間の距離を測っていた時代の名残である。