グリーン上に無数の穴!「エアレーション」って何のためにやってるの?【明日使えるゴルフ用語】
普段当たり前のように使っているゴルフ用語だが、その成り立ちや意味を問われたときに、正しく返せるだろうか? ここではラウンド中の会話やゴルフ仲間とのやりとりで使える、ゴルフ用語にまつわるうんちくを紹介する。
エアレーション【aeration】
春先や秋口の時期に年に1~2回、グリーンに無数の小さな穴があけられていることがある。これは、エアレーションという作業で、グリーンのメンテナンスには欠かせないものである。
エアレーションの目的は、穴をあけて土を取り除くことで、ゴルファーによって踏み固められた地面を軟らかくし、芝の根の成長スペースを確保すること。同時に根に酸素を供給し、芝の健全な育成を促進する。エアレーションをしないと地面がどんどん固くなり栄養が行き届かなくなる。結果、芝が枯れてしまう。
エアレーターという機械を使い、グリーンに穴をあけたあとは、肥料などが混ざった砂を撒く。そのため、どうしてもボールの転がりに影響が出てしまう。欧米のゴルフ場ではエアレーション期間中はグリーンフィの割引を実施しているケースも多いが、日本ではそうした事例は少ない。
コースへ行ってグリーンにエアレーションがされていると、ちょっと損したような気分にもなるが、これをやらなければ余計にグリーンの質が悪くなってしまうので、そういうものだと思って受け入れるほかはない。車しかり、建物しかり、ウェブサイトしかり。何につけ、定期的なメンテナンスは必要だし、その間一時的に不便を強いられるのは致し方ない。
エアレーションの穴のせいで球が外れることもあれば、穴のおかげで方向が変わって入ることもあろう。それを、入らなかったときだけエアレーションのせいにするのはお門違いだ。
冬の凍ったグリーンも、夏の長いラフも、秋の落ち葉も、季節の風物詩と思えば、エアレーションも「もうそんな季節か」ぐらいに考えて、目の前の穴ぼこグリーンをどう攻略するかを楽しんでしまえばいい。そして後日、美しく仕上がったグリーンを堪能しながら、グリーンキーパーの仕事に感謝しようではないか。