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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.66 上達したいなら「目標」を持つべし

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

散歩が好きやけん、よく近所をブラブラする。前にここでも言ったかな? 昔はよく一本歯の下駄を履いてコンビニまで行き、そのまま雑誌を立ち読みして帰ってくる、なんてこともしていた。気分転換半分、トレーニング半分って感じかな。一本歯の下駄で立つっての結構、筋力使うからね。

でも、まぁ所詮は散歩だ。ブラブラ歩いていたら、いつの間にか富士山の頂上に立っていた、なんてミラクルな現象は起こらない。

ゴルフの練習もそうかもね。ただ球を打っていたのでは、いつの間にか「四国アマ」で優勝したなんてミラクルは起こらない。

今の状況よりちょっとでも上を目指すなら、やっぱり目標を持つことは重要だと思う。

ボクは高校1年でゴルフ部に入った。練習場の息子のくせに、それまで真剣にゴルフをやったことがなく、まったくの初心者だった。周りはほとんどが小学校、中学校やらやっていたので、ボクは当初ペーペーの中のペーペー。そのとき憧れていたのが、アマチュアゴルフランキングでもつねに10位以内に入っていた一個上の先輩。ボクからしたら雲の上の存在で「この人には一生勝てん」と思うくらい遠い存在だった。ボクはその先輩を目標に練習した。

一歩でも近づくには彼と同じ練習を同じ量だけしていたらダメだよね。というのが、ボクが一風変わった練習をするようになったきっかけだ。

もちろん正攻法の練習もしたけど、正攻法でない練習のほうが多かった。1日30種類練習したしたら、半分以上は「それ、意味あるの?」とつっこまれる練習だ。右手1本打ち、左手1本打ち、背面打ち、ひざ立ち打ち、クロスハンド、スプリットハンド、どフック、どスライス……と次々打ち方や狙いを変えてった。

好きだったのは池での練習。東日本にはあまりないらしいが、西日本には溜池の練習場がよくある。普段は避けたい池に向かって思い切り打てるのがいいよね(笑)。ってメリットはそこじゃない。池に落ちたとき、ボールが回転方向に跳ねるので、ボールの回転がよくわかることだ。でも、ボクはそのメリットにあえて逆らい、ボールを1回も跳ねさせず下に沈ませることに夢中になった。コツはウェッジのソールをボールに当て、スピンをかけずに打つことだ。一般的にはスピンをかけることに憧れるんだろうけど、実はスピンはかけるよりかけないほうが難しいので、ボクはそっちを習得したかった。だって、ソールに当てることができればフェースの芯にだって当てられるでしょ。

で、何が言いたかったかというと、どうせ散歩をするなら富士山を目指すこと。そして、トレーニングや練習は正攻法だけでなく、裏技にだって学ぶことはたくさんあるってこと。

春の本格シーズンまでもう少し! あなたはどこの山を目指す?

高い山を目指すからこそ、考える力がつき練習が身になる。必然的に練習量は多くなり、上達につながっていく


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2018年4月3日号より