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わかっちゃいるけどやめられない!? 男のロマン「マン振り」の誘惑【明日使えるゴルフ用語】

普段当たり前のように使っているゴルフ用語だが、その成り立ちや意味を問われたときに、正しく返せるだろうか? ここではラウンド中の会話やゴルフ仲間とのやりとりで使える、ゴルフ用語にまつわるうんちくを紹介する。

ドラコン競技はまさに“マン振り”の応酬(PHOTO/Tadashi Anezaki)


マン振り


ゴルフの用語は横文字が多いが、日本独自のスラングのような言葉もある。中でも最もよく使われるもののひとつが、「マン振り」だろう。

マン振りとは、要するに「フルスウィング」のことだが、ニュアンスとしては、フルスウィングをさらに超えるような強振という意味。距離が短くワンオンが狙えそうなパー4や、ドラコン賞がかかったホールへ来ると、必ずマン振りをするというゴルファーも少なくないだろう。

そして、マン振りした結果、思ったような素晴らしい当たりが出る可能性は限りなく低いこともまた事実。特大のスライスや、どテンプラ、チーピン、チョロ、果ては空振りまで、ミスの中でも最大級のミスが出ることも少なくない。真っすぐ飛んだとしても、行ってみると、いつもと飛距離がそんなに変わらない、というケースもある。

飛ばそうとして体を大きく揺さぶるように使うと、軸がブレて打点が不安定になるし、力が入りすぎると極端なあおり打ちや、逆に上から打ち込みすぎるなどして、ヘッドの力を効率よくボールに伝えられなくなる。またフェースが戻り切らずに開いて当たったり(スライス)、ヘッドを手で返しすぎて左に飛んだり(チーピン)と、ありとあらゆるミスの温床となる。

一般のゴルファーにとっては、マン振りが成功するのは10回に1回あればいいほうだろう。

なので、上級者から「お、マン振りしてるね~」と言われたら、よく振れているというよりは“振りすぎ”であることを揶揄されていると受け取ろう。

プロは勝負所で使うことも

プロや上級者の場合は、メリットよりもデメリットが多いという理由から、マン振りをすることはほとんどないが、「ここぞ」というときはマン振りするという選手もいる。

実際、以前女子プロに「マン振り」をするかどうか話を聞いたところ、12人中4人が「たまにする」と答えた。

クロスバンカーを越えるかどうか、というときや、2オンを狙いたいパー5など、勝負をかけるときにマン振りをするといい、飛距離は5~10ヤード伸びるとのこと。

プロの場合は、普段から強く振る練習をしていたり、下半身を中心とした筋力が備わっているため、普段より強振したとしても、軸が大きくブレることはない。アマチュアの場合も、もしどうしてもマン振りしたいのであれば、それに耐えうるだけの筋力を身につけておく必要がある。が、そもそも効率のよいインパクトができていない可能性もあるので、まずは同じ強さの振りでいかに効率よく飛ばすかを優先すべきだろう。

ちなみにマン振りの「マン」は、「マンスラ」(=超スライス)や、「マンチー」(=超チーピン)というように、他の用語の前にくっつけて使われることもある。学生ゴルフ出身のゴルファーの間でよく使われるようだ。