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【只今コージ中!】Vol.98 欧風EV本命、遂に上陸! フォルクスワーゲン「ID.4」はEV界を制覇できるか!?

ゴルフ好きの自動車ジャーナリスト・小沢コージがゴルフに最適なクルマを求めて奔走する連載「小沢コージの只今コージ中!」。第98回はフォルクスワーゲン「ID.4」の実力をチェック!

PHOTO/Takaaki Miura MODEL/Mirai Takeuchi(GOLULU) THANKS/加茂ゴルフ倶楽部

小沢コージ
各種メディア連載をはじめ、TBSラジオ「週刊自動車批評 小沢コージのCARグルメ」(毎週土曜17時50分~)に出演中。YouTubeで「KozziTV」を配信。ゴルフ歴は約20年のエンジョイ派でハーフラウンド好き

「言うほど普及しない」という意見もあるEVですが、欧州や中国を中心に増えているのは事実です。本連載でも22年はBMW iX3、日産サクラ、テスラ・モデルY、メルセデス・ベンツEQSと4台のバッテリーEVを紹介。しかも今年は頭からソイツです。そう、新型フォルクスワーゲンID.4!!

本来“ゴルフEV”や“ティグアンEV”などと付けてほしいのですが、できないのには理由があります。ワーゲンの新世代EV、IDシリーズは欧州では既にハッチバックのID.3やミニバンのID.BUZZが登場。どれもまったく新しいMEBなる電気自動車専用プラットフォームを使い、既存のガソリン車とは全然違うことをアピール。今後EV界で“ID”の名前を定着させたいのです。


中でも昨年末に登場したID.4がグローバルEVの本命。コンパクトSUVセグメントで、日本の導入スタート価格は遂に500万円切り!! 電池代がかさむ分、高くなりがちなEVですが、IDシリーズ最大の魅力はコスパ! それがフォルクスワーゲンの電気化戦略なのです。

まずはサイズですが全長4.585×全幅1.85mと幅こそ若干広めですが日本でも人気のカローラクロスぐらい。それでいてEV専用設計だから室内は広く、身長1.76mの小沢が座ってもリアシートは広々。キャディバッグ積載に関わるラゲッジ容量は543ℓと広大ですが、下段に横積みできないので最大2本。とはいえ、デートには必要十分。

さらなる驚きは扱いやすさ! ドイツ規定で測定した時の最小回転半径はコンパクトカーのポロより短く小回りが利く。走りにテスラEVほどのビックリ加速はありませんが、リア駆動モーターは204ps&310Nmの余裕のパワー&トルク。モーターならではの静粛性と滑らかさで上質かつ快適。気になる航続距離もなかなかで、WLTCモードで大容量の77kWhタイプが561km、52kWhタイプが388kmと十分。加えて侮れないのが独自充電サービスで全国158店舗のEV対応ワーゲンディーラーでサービスが受けられるだけでなく、90kWの急速充電器と専門コンシェルジェも配置。導入モデルには1年間月60分間充電無料などの特典も付きます。様々な角度から安心感と割安感を提供する。それがVWの新EV普及戦略なのです。

(左)ラゲッジ容量は543ℓと大きいが、欧州車の常で横幅が狭く、平置きで2本積載は難しい。ゴルフデートで必要十分の最大2本の積載が可能/(右上)運転席前の小型ディスプレイの右側に備わるシフトダイヤルで「P」「R」「N」「D」を切り替える/(右下)流麗のなかに力強さを感じさせる造形で空気抵抗を感じにくいデザイン


フォルクスワーゲン

ID.4

全長×全幅×全高:4585×1850×1640mm
メーカー希望小売価格:648万8000円~(ID.4 Pro)

週刊ゴルフダイジェスト2023年1月24日号より