【只今コージ中!】Vol.81 欧州プレミアムにひけを取らないラグジュアリー性能! レクサス「LC」
ゴルフ好きの自動車ジャーナリスト・小沢コージがゴルフに最適なクルマを求めて奔走する連載「小沢コージの只今コージ中!」。第81回はレクサス「LC」の実力をチェック!
PHOTO/Hirohiko Mochizuki MODEL/Hanako Kishibe(GOLULU) THANKS/加茂GC
見て、乗った瞬間「ああ、こんなクルマでゴルフドライブに行ってみたい」と思えるクルマに久々に出合いました。その名はレクサスLC。2017年デビューの本格クーペで全長4.7m強で価格は1300万円超。あえていうとメルセデス・ベンツSLやBMW 8シリーズクーペなどがライバル。世界のリッチマンをターゲットにした2人乗り、もしくは2人+αが乗れるラグジュアリーカーです。クローズドボディとコンバーチブル(オープンボディ)が選べ、パワートレインはガソリン版とハイブリッド版の2種。前者はいまどき珍しい5リッター直噴V8DOHCの大排気量ユニットを搭載。
電動化が進む昨今を考えると、次期モデルでこの手があるとは思えないですが、コイツが乗ると実に素晴らしい味わい。下からコンコンと湧いてくる豊かなパワーに、鋭いカンナで木を削るような気持ちいい硬質なエンジンサウンド。効率重視のコンパクトカーでは味わえない贅沢さが随所に詰まりまくっています。
またLCから取り入れた3.5リッターV6+モーターによるマルチステージハイブリッドも、気持ち良さと低燃費性をこれまでにないレベルで両立させたもの。
なによりLCが優れているのは、欧米ブランドとは一線を画すエレガントデザイン。これ見よがしなアクの強いグリルやライトデザインは持っていませんが抑揚の利いた艶めかしいボディラインはセクシーで和の美学を感じます。インテリアも上質なマテリアルがグッドです。
走り味も上々で、骨格はフラッグシップセダンのレクサスLSと同じGA-Lプラットフォーム。これにより高い剛性、硬めでありつつ上質な乗り心地、しっとりとしていながらキレのいいハンドリングを実現しています。これが長距離移動の多いゴルフドライブには最適で、疲れにくいうえ、運転が楽しいのであまり眠くならない。パートナーたる女性に運転を代わってもらうのも十分ありです。
気になるラゲッジ容量は46インチドライバー収納のキャディバッグ1個のみ。もう1つ載せるなら、リアシートに積む必要があります。シートが汚れるのもイヤなので敷物があると便利でしょう。
しかし多少の積みにくさを補って余りあるゴージャス感あり。腕に覚えのあるゴルファーならばいつかはLCでゴルフ! と洒落込みたいものです。
(左)荷室容量は197Lで、キャディバッグは1個積載可能。2人で行く場合は、リアシートに積んでいこう/(右上)パドルシフトにはマグネシウム素材を採用。握り手を替えることなくシフト操作が可能な形状/(右下)抑揚の利いた艶めかしいボディラインがセクシーで、女性に例えればハリウッド女優ではなく、日本の米倉涼子
レクサス
LC
全長×全幅×全高//4770×1920×1345mm
メーカー希望小売価格/1327万円~
週刊ゴルフダイジェスト2021年5月10・17日合併号より