【只今コージ中!】Vol.77 いま一番キモチいい本格電動SUV! 三菱「アウトランダー PHEV」
ゴルフ好きの自動車ジャーナリスト・小沢コージがゴルフに最適なクルマを求めて奔走する連載「小沢コージの只今コージ中!」。第77回は三菱自動車「アウトランダー PHEV」の実力をチェック!
PHOTO/Osamu Hoshikawa THANKS/カメリアヒルズCC
プロゴルファーもそうですが、波に乗っている選手っているものです。さしずめ今のクルマ界ならコレ。約8年ぶりにフルモデルチェンジした三菱アウトランダーPHEV。電池を多めに搭載し、半分バッテリーEVとしても使える、充電できるプラグインハイブリッド車です。
具体的には旧モデルより多い20kWhの大容量電池を搭載。フル充電なら83㎞のEV走行ができます。それでいて価格は400万円台スタートと本格PHEVとしては安く、しかも内外装クオリティが高い。小沢は以前から「メルセデスが売ったら1000万円してもおかしくない」とアウトランダーPHEVを表現しましたが新型もそれくらいの価値アリ。いや旧型より出来は良いかもしれません。
それは三菱背水の陣の力が注がれた入魂の一作だからです。ここ10数年の三菱自動車は苦難の連続。度重なるトラブルから日産ルノーアライアンス傘下にも入りました。その後も新車が出ずに苦労しましたが、そこで孤軍奮闘していたのが旧型アウトランダーPHEV。三菱が誇る名作SUV、パジェロのノウハウに、これまた自慢のラリー用競技車ランサーエボリューションの4WD技術を加え、EV技術も盛り込んだほぼフル電動のプラグインハイブリッドSUV。
エンジンはほぼ発電用として使い、駆動は前後ツインモーターで行う。結果、エンジン音はするけど走りは電気自動車並みにスムーズという珍しさ。ただ初代は骨格が古く、インテリアクオリティもほどほど。当時の三菱グループには潤沢な開発リソースがなかったからです。しかし今回は日産ルノーアライアンスのもと、プラットフォームから完全新規開発。骨格は日産エクストレイルと共有ですが、ボディ剛性は十分、クオリティも大幅アップ。ボディサイズも横幅6㎝増しと世界基準のミディアム電動SUVとしてイチから生まれ変わったのです。
威風堂々としたエクステリア、アルミや本革を贅沢に使ったインテリアはライバル電動SUVもビックリ。ゴルフ性能も凄く、3列目シートを折り畳んだラゲッジはバッグ4本をラクラク収納。前述の電動力は上がって、静かかつ上質に走れますし、充電が切れてもハイブリッド車として長距離走行可能。400万円台スタートはまさにバーゲン。三菱久々の受注1万台超えも納得の出来なのです。
(左)7人乗りの3列シートを倒すと広々したラゲッジスペースが生まれる。もちろんラクラク4本積載が可能/(右上)質感の高いソフトパッドを随所に採用し、高級感のあるデザインに進化した/(右下)デザインコンセプトは「BOLD STRIDE(ボールド・ストライド)」。力強く存在感のあるスタイリングだ
三菱自動車
アウトランダー PHEV Pグレード
全長×全幅×全高/4710×1860×1745mm
メーカー希望小売価格/532万700円~
週刊ゴルフダイジェスト2022年3月15日号より