【只今コージ中!】Vol.69 これぞ究極のクオリティゴルフカー! ポルシェ「タイカン4」
ゴルフ好きの自動車ジャーナリスト・小沢コージがゴルフに最適なクルマを求めて奔走する連載「小沢コージの只今コージ中!」。第69回はポルシェ「タイカン4 クロスツーリスモ」の実力をチェック!
PHOTO/Hirohiko Mochizuki MODEL/Rei Himezaki(GOLULU) THANKS/カメリアヒルズCC
正直、とんでもないゴルフデートカーが出たと思いました。その名は、タイカン4クロスツーリスモ! 去年発表されたポルシェ初のバッテリーEVセダン、タイカンのクロスオーバーSUV版ですがすべての性能がハンパじゃない!
絶妙にゴルフ向きなのと、その移動クオリティ、具体的にはボディ剛性、乗り心地、静かさ、鉄の塊のような加速性能は世界一レベル。今、長距離走ってゴルフに行くにはもっとも上質かつ速いクルマかもしれません。
タイカンとの違いは大きなテールゲートが加わり、膨らんだリア回りのボディと、車高が標準車で1㎝、オフロードパッケージを選びグラベルモードだと3㎝上がることと最適化された制御ぐらいで、後はほとんどタイカンセダンそのままですがとにかく素晴らしく快適。
リアシートには大人が2人、タイカンより少し天井が高くなったスペースに座ることができ、後はとにかく圧倒的な動力性能と質感を楽しめます。
気になるラゲッジ容量はセダン比で407Lから446Lに上がり、それなりに広いですが、欧州車の常で横幅が狭くてキャディバッグは1本。ただ、リアシートを倒せば複数本可能で、フロントに84Lの別トランクもあり、そこにボストンバッグを2個は積めます。
左右前方がデジタルディスプレイに囲まれたコックピットに座り、イグニッションスイッチを押し(モードにより省略も可)、アクセルを踏んだ瞬間から異次元の高速移動空間は始まります。
最初に感じるのは音もなく、なおかつコンクリートの塊がそのまま動くような磐石の剛性感で、この塊感と静かさはポルシェのタイカンシリーズならでは。ステアリングフィールも極上かつ最強。厳密にはセダンより微妙に落ちるかもしれませんが、路面にハマった鉄のレールに沿って曲がるようなソリッドなタッチ。
加速はさらにパフォーマンスの高い4Sやターボを選ぶとより凄いのですが標準の「4」でも最速モードで476ps、時速0−100㎞加速5.1秒は十分。なによりそれでも酔わない高品質な乗り心地が異次元レベルです。
フル充電からの航続距離は400㎞以上と十分。問題は2m近い幅と1300万円を超える価格。でもこれで迎えに行って喜ばない女子はいないはず。
(左)荷室容量は446Lだが横幅が狭いので、キャディバッグの積載は1本。2人以上でゴルフに行く場合はリアシートを倒そう/(右上)操作系や表示系はすべて液晶ディスプレイに収められており、突起物がほぼなく、近未来感を醸し出している/(右下)サルーンの「タイカン」と違い、後ろから見るとSUVのようなデザイン
ポルシェ
タイカン4 クロスツーリスモ
全長×全幅×全高/4974×1967×1409mm
メーカー希望小売価格/1341万円~
週刊ゴルフダイジェスト2021年11月16日号より