【只今コージ中!】Vol.68 艶やかな色気と利便性が融合。フォルクスワーゲン「アルテオン」
ゴルフ好きの自動車ジャーナリスト・小沢コージがゴルフに最適なクルマを求めて奔走する連載「小沢コージの只今コージ中!」。第68回はフォルクスワーゲン「アルテオン」の実力をチェック!
PHOTO/Takaaki Miura THANKS/カメリアヒルズCC
モテの王道といえば、やはりギャップ萌え。お坊ちゃまでスマートなのにケンカに強い! 超かわいいのにどこか抜けてる! イメージと実態のギャップがあればあるほどメロメロになるのです。
現代クルマ界でいえば、さしずめ今回のフォルクスワーゲン・アルテオンシューティングブレークでしょうか。このクルマのギャップは2つ。「無骨イメージのフォルクスワーゲンなのにイタリア車のように超カッコいい」のと「超スタイリッシュなのに中が広くて便利」なこと。予想をいろいろ裏切るクルマなのです。
最大のキモはエクステリアでしょう。元々アルテオンは4年前にリアハッチを持つセダンとして登場。最初から低い流麗フォルムに斬新なストライプグリルを持つフォーマルカーとしてスタイルの良さが評判でした。ただし、セダンゆえの硬さも少し残っていました。
ところが今年のマイナーチェンジと共に追加されたワゴンスタイルのシューティングブレークが凄い。ある意味、無骨な“VWの壁”を打ち破ったともいえ、横からみると全然違います。
マイチェンで全長5㎝、全高が10㎝伸びているうえ、リアビューの伸びやかさったらない! そもそも「シューティングブレーク」は文字通り狩りに使われるクルマで、最初は2ドアのステーションワゴンでした。まさに見た目のクールさと実用性の融合だったのです。
アルテオンシューティングブレークも全長4.9m弱の伸びやかさを持ちつつ、ラゲッジは565Lと超巨大。キャディバッグが4本入ります。それでいてリアが長くてしかも流麗。足が長くてくびれた女性のような伸びやかさです。
インテリアは実用車のパサートの延長線上で若干残念ではありますが、質感の高いメタリック調パーツを使っており、10.25インチのメーター、デジタルコックピットプロにしろイマドキ。
走りも乗り心地やハンドリングはVWらしく質実剛健ですが、アルテオンはほかにないパワフルな272Nmの2リッターターボを搭載。これが2000回転毎分で350Nmの最大トルクを発揮し、高速道路から山道までラクチンなのです。
ブランド、スタイル、使い勝手とすべてが予想以上のアルテオンシューティングブレーク。後はアナタのスコアも狙い以上なら文句ナシですよね。
(左)565Lと大容量の荷室には、キャディバッグが4本積載可能だ/(右上)10.25インチの液晶メーターに、9.2インチのタッチスクリーン式ディスプレイに組み込まれたインフォテインメントシステムでデジタルデバイスも充実/(右下)フロントとリアのバンパー、テールランプ、テールパイプフィニッシャーなどが新デザインに
フォルクスワーゲン
アルテオン
シューティングブレーク TSI 4モーション エレガンス
全長×全幅×全高/4870×1875×1445mm
メーカー希望小売価格/634万円~
週刊ゴルフダイジェスト2021年11月2日号より