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【只今コージ中!】Vol.67 メルセデスの本気度がうかがえるEV第2弾「EQA」

ゴルフ好きの自動車ジャーナリスト・小沢コージがゴルフに最適なクルマを求めて奔走する連載「小沢コージの只今コージ中!」。第67回はメルセデス・ベンツ「EQA」の実力をチェック!

PHOTO/Takanori Miura THANKS/カメリアヒルズCC

小沢コージ
各種メディア連載をはじめ、TBSラジオ「週刊自動車批評 小沢コージのCARグルメ」(毎週土曜17時50分~)に出演中。YouTubeで「KozziTV」を配信。ゴルフ歴は約20年のエンジョイ派でハーフラウンド好き

いま自動車界の最大のトレンドといえば、問答無用で「電動化」です。日本でもホンダが2040年にはすべての新車をバッテリーEVと燃料電池車にするという強気な目標をブチ上げましたが、あの高級車ブランド、メルセデス・ベンツも例外ではありません。例外どころか今夏には「2030年までに全ラインナップをバッテリーEVにする」と宣言。急速に急進派への道を辿っているのです。

今年登場の注目のバッテリーEVがEQA。一昨年のEQCに続く、世界で3台目、日本では2台目となる同社のバッテリーEV。これがどれくらい本気なのかがキモ。なぜならEQAの骨格はガソリンSUVのGLAと同じなのです。


まず全長×全幅×全高は4463×1834×1624㎜でGLAとほぼ同じ。ラグビーボールのような丸みを帯びたフォルムも同様。しかし見た目の独自色はかなりのもの。GLAはヘッドライトとフロントグリルが分かれていますがEQAは一体化。ブルーの差し色や左右が繋がっている前後のLEDライトデザインもオリジナル。かたやインテリアはほぼ変わらずで超横長ディスプレーやタービン型送風口もGLAと変わらず。

さらに肝心のゴルフ性能ですが、ラゲッジ容量はGLAより狭い340Lで、リアシートを倒すか、ドライバーを抜かないとバッグが1本も積載できません。同時にリアシート床も高く、成人男性にはちと狭め。66.5kW/hという大容量バッテリーを床下に収納しているため、居住スペースが圧迫されているのです。

しかし、なんだゴルフ向きじゃないのか? と決めつけるのは尚早。2人乗りと割り切れば、高い床もラゲッジ容量も問題になりませんし、なによりメルセデスならではの、滑らかな電動走りはほかにないクオリティ。モータースペックは190ps&370Nmと特にパワフルではありませんが、メルセデスらしいネットリとした加速感やスムーズな乗り心地、高速での運転支援性能が秀逸。往復200㎞のゴルフドライブがよりラクチンかつ上質に行えるのです。

なにより大容量電池を積んで640万円という価格はメルセデスとしてはお手軽。完全にEVとして新設計されていたら800万円に迫るはず。まずはコスパを高めたモデルでEVの普及を目指す。それがメルセデスの作戦なのです。

(左)メルセデス・ベンツといえば、荷室の左右を凹ませ、キャディバッグが入るイメージだが、EQAは凹みが小さく、ドライバーを抜いて1本積載が可能。(右上)ガソリンSUVのGLAとほぼ変わらないインテリアデザイン。キーやシートの一部に使われるローズゴールドのアクセントはEQA専用装備。(右下)コンパクトSUV「GLA」をベースに開発されたEV


メルセデス・ベンツ

EQA 250

全長×全幅×全高/4463×1834×1624mm
メーカー希望小売価格/640万円~

週刊ゴルフダイジェスト2021年10月19日号より