【只今コージ中!】Vol.65 ライバルはスマホ? デジタル性能に注目のフォルクスワーゲン“ゴルフ8”
PHOTO/Hirohiko Mochizuki THANKS/加茂CC
ゴルフ好きの自動車ジャーナリスト・小沢コージがゴルフに最適なクルマを求めて奔走する連載「小沢コージの只今コージ中!」。第65回はフォルクスワーゲン「ゴルフ」の実力をチェック!
コンパクトカーの世界的定番であり、メートル原器とも言われるVWゴルフがフルモデルチェンジしました。日本には70年代から輸入され、一時は27年連続輸入車販売No.1にも輝いたロングセラー。前作7代目までに世界累計3500万台という大記録も打ち立ています。
しかし新型「ゴルフ8」こと8代目ゴルフは時代の変わり目ということもあり、コンセプトが絶妙に変わっています。今までは「走り」や「質感」をトコトン追いかけてきましたが新世代のテーマは「デジタライゼーション」。デジタル化やコネクティッド性能、エコ性能のアップがキモなのです。
もちろんゴルフドライブに必要な基本性能はこれまで通り。全長4.2m台のコンパクトさをキープしたこともあり、ラゲッジにはドライバーを抜いたキャディバッグがなんとか1本。しかしリアシートを倒せば3~4本は楽勝で積めますし、居住空間はミドルサイズセダン並み。インテリアの質感は若干普通になりましたが変わらず平均点以上。
気になる改良ポイントはまずパワートレインで、今回新たに1.5リッター直4ターボと1リッター直3のダウンサイジングターボが選べるようになりました。とくに後者は一見非力ですが逆です。パワー&トルクは110ps&200Nmで旧型の1.2リッター直4ターボよりパワー&トルク共に向上しているのです。
同時に今回は両エンジン共に最大62Nmのトルクを発揮する48Vマイルドハイブリッドを標準装備し、出足の良さはひとクラス上。なにより進化しているのはデジタル性能とハイテク運転支援で、全面モニターのデジタルコックピットプロと通信モジュールを標準装備。メーターは10.25インチのデジタルモニターで、ナビ画面や運転支援表示は先進的。センターディスプレイも大型10インチで、エアコン調整はスマホライクなタッチスライダー方式。未だにクラシカルなメカスイッチを多用する国産車とは違います。
そのほかゴルフ初の同一車線運転支援「トラベルアシスト」も標準装備。機能的には日産プロパイロットと似ていますがスイッチひとつで時速0~210㎞までの高速追従走行を行えるのです。
走りは従来の正常進化でライバルは最新スマホ! それが新型ゴルフ8の真骨頂なのです。
(左)後席を使用する通常時の荷室容量は380Lで、キャディバッグはドライバーを抜いて1本。ゴルフデートなら後部座席のどちらかを倒そう。(右上)先代に比べて丸みを帯びたエクステリアデザインで、ヘッドライトにはマトリクス式「IQ.LIGHT」を選べる。(右下)先代比で全長、全幅、全高がそれぞれ+30mm、-10mm、-5mmとコンパクトサイズを維持
フォルクスワーゲン
ゴルフ eTSI Active
全長×全幅×全高/4295×1790×1475mm
メーカー希望小売価格/353万2000円~
週刊ゴルフダイジェスト2021年9月21日号より