【小沢コージの只今コージ中!】Vol.63 オキテ破りの新デザインがカッコいい! ホンダ「ヴェゼル」
PHOTO/Takanori Miki MODEL/Mirai Takeuchi(GOLULU)
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ゴルフ好きの自動車ジャーナリスト・小沢コージがゴルフに最適なクルマを求めて奔走する連載「小沢コージの只今コージ中!」。第63回はホンダ「ヴェゼル」の実力をチェック!
「このデザイン、カッコいいですね」。久々にそう言われる国産SUVに出合いました。8年ぶりに一新したコンパクトSUVのヴェゼルです。
初代は2013年に登場、一時は3年連続でSUV販売No.1になった大成功モデル。しかしその後、トヨタC-HRやヤリス クロス、日産キックス、マツダCX-30などの強力ライバルが登場。今春発売の2代目がどう追撃するのか気になっていましたが、現在一部グレードの納車待ちが1年前後という人気ぶりです。
理由はさまざまですが、ひとつはホンダのオキテを破ってまで変えた新感覚スクエアデザインがあります。かつてのホンダは人気モデルの続編をキープコンセプトデザインで仕上げてきましたが、2代目ヴェゼルは違います。初代の抑揚あるデザインを捨て、スクエアな水平基調を持ち、なおかつ塊(かたまり)感あるデザインで勝負しているのです。インテリアも同じく上品で洗練されています。
中身もほぼ一新。骨格のプラットフォームはキャリーオーバーですが、パワートレインはフィットと同じ2モーター式ハイブリッドを初採用。1.5リッターエンジンをほぼ発電専用として使い、駆動は電動モーターを中心に行います。結果、発進加速はこれまで以上に滑らか。しかも最高出力131ps、最大トルク253Nmとフィットよりもスペックが上がっているので、加速力がアップ。静粛性も高いので、電気自動車並みの滑らかかつ静かな走りを獲得しているのです。
室内もボディサイズがほとんど拡大していないにも関わらず広々。特にリアシートは格別で、身長176センチのオザワが余裕でひざを組めます。これなら4人でダブルカップルのゴルフデートができるのでは? と思うほど。
唯一残念なのがラゲッジで、容量は390リッターと広いのですが、純正の高品質オーディオ用スピーカーを入れると荷室の左右が潰れ、キャディバッグを真横に積めません。せいぜいドライバーを抜いて1セットが限界。スピーカーなしならば2セットOKです。
残念ながら4人乗りゴルフは無理そうですが、今までの国産SUVにはないオシャレで上質なゴルフドライブが可能。価格的にも輸入プレミアムSUVより全然お手頃ですし、若いカップルにもオススメなのです。
(左)このサイズのSUVとしては荷室が390Lと十分な容量だが、オーディオ用スピーカーがあり、キャディバッグはドライバーを抜いて1本が限度(右上)シートのクッション性が向
上。プライムスムースとファブリックによるコンビ表皮の質感も高い(右下)直線基調で塊感のあるクリーンデザインに変貌
ホンダ
ヴェゼル e:HEV PLaY
全長×全幅×全高/4330×1790×1590mm
メーカー希望小売価格/329万8900円~
週刊ゴルフダイジェスト2021年8月3日号より