【小沢コージの只今コージ中!】Vol.61 VWの枠を超えたポップなコンパクトSUV「T-Roc」
PHOTO/Takanori Miki MODEL/Nanaha Mitsuishi(GOLULU)
THANKS/カメリアヒルズCC
ゴルフ好きの自動車ジャーナリスト・小沢コージがゴルフに最適なクルマを求めて奔走する連載「小沢コージの只今コージ中!」。第61回はフォルクスワーゲン「T-Roc」の実力をチェック!
カジュアルな見た目ながら走りは申し分なし
かつてゴルフドライブの王道といえばセダンかワゴンでした。大人4人が乗れて大容量トランクを備え、キャディバッグを載せて快適に長距離移動できるクルマ。いまならやはりスポーツ・ユーティリティ・ヴィークル=SUVでしょう。
セダンやワゴンより背が高くて、見た目がワイルド。車内も広く、乗り心地も快適。ただし、SUVはどうしてもサイズが大きくなりがちですし、高級ブランド車だと値が張ります。
そこでオススメなのがコンパクトSUV。それもドイツ系のSUVです。全長4m台前半と短めなのに、高めの車高のおかげで車内は予想以上にゆったりで、ラゲッジも広め。価格も300万円中ごろからと意外にリーズナブルです。
その代表格がVW T-Roc。全長は4.2m台とかなりコンパクトですが、意外に全高があって存在感があります。
さらにここがポイントですが、デザインがポップで質実剛健なVWらしからぬテイスト。今までのVWのSUVたるティグアンにしろトゥアレグにしろ、結局はVWのド定番ゴルフのイメージから離れ、超えることはありませんでした。
ところがT-RocはいわゆるアウディQ2やトヨタC-HR顔負けのカジュアルフォルムを持ちつつも、ホワイトルーフなど2トーンカラーが選べ、それでいて室内の広さ、ラゲッジ容量を犠牲にしてません。それどころかベースのゴルフより広いくらいでオシャレかつ実用的というVWの王道たる出来映え。
そのうえ骨格はゴルフ兄弟と共通のMQBプラットフォームだから走りのクオリティ、ハイテク安全も保証済み。エンジンも1.5リッターガソリンターボと2リッターディーゼルターボの2種類から選べます。
実際に走ってみると高速性能はドイツ車らしく高く、ビシッと真っすぐ走ります。ゴルフ的にはラゲッジが445リッターという容量の割に、横幅が狭くキャディバッグがドライバーを抜いて1個しか積めないのが難ですが、分割式シートバックを倒せば3人分は楽勝。
唯一、インテリアの質感が軽く、全体的にカジュアルすぎるきらいもありますが、それこそがT-Rocの魅力。
ワーゲンらしさにこだわるならティグアンですが、このポップさが気に入ったならT-Rocは十分にアリです。
(左)コンパクトSUVだが荷室容量は445Lと大容量。しかし横幅が狭いのでドライバーを抜いて1本が限度。2人以上なら片側リアシートを倒して積もう。(右上)すべてのインフォテイメントシステムにeSIM内蔵の通信モジュールを搭載。(右下)「R-Line」はT-Rocのトップモデルで、唯一19インチホイールを装備
フォルクスワーゲン
T-Roc TDI R-Line
全長×全幅×全高/4250×1825×1590mm
メーカー希望小売価格/459万9000円~
週刊ゴルフダイジェスト2021年7月6日号より