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【小沢コージの只今コージ中!】Vol.61 VWの枠を超えたポップなコンパクトSUV「T-Roc」

PHOTO/Takanori Miki MODEL/Nanaha Mitsuishi(GOLULU)
THANKS/カメリアヒルズCC

ゴルフ好きの自動車ジャーナリスト・小沢コージがゴルフに最適なクルマを求めて奔走する連載「小沢コージの只今コージ中!」。第61回はフォルクスワーゲン「T-Roc」の実力をチェック!

小沢コージ
各種メディア連載をはじめ、TBSラジオ「週刊自動車批評 小沢コージのCARグルメ」(毎週土曜17時50分~)に出演中。YouTubeで「KozziTV」を配信。ゴルフ歴は約20年のエンジョイ派でハーフラウンド好き

カジュアルな見た目ながら走りは申し分なし

かつてゴルフドライブの王道といえばセダンかワゴンでした。大人4人が乗れて大容量トランクを備え、キャディバッグを載せて快適に長距離移動できるクルマ。いまならやはりスポーツ・ユーティリティ・ヴィークル=SUVでしょう。

セダンやワゴンより背が高くて、見た目がワイルド。車内も広く、乗り心地も快適。ただし、SUVはどうしてもサイズが大きくなりがちですし、高級ブランド車だと値が張ります。

そこでオススメなのがコンパクトSUV。それもドイツ系のSUVです。全長4m台前半と短めなのに、高めの車高のおかげで車内は予想以上にゆったりで、ラゲッジも広め。価格も300万円中ごろからと意外にリーズナブルです。

その代表格がVW T-Roc。全長は4.2m台とかなりコンパクトですが、意外に全高があって存在感があります。

さらにここがポイントですが、デザインがポップで質実剛健なVWらしからぬテイスト。今までのVWのSUVたるティグアンにしろトゥアレグにしろ、結局はVWのド定番ゴルフのイメージから離れ、超えることはありませんでした。

ところがT-RocはいわゆるアウディQ2やトヨタC-HR顔負けのカジュアルフォルムを持ちつつも、ホワイトルーフなど2トーンカラーが選べ、それでいて室内の広さ、ラゲッジ容量を犠牲にしてません。それどころかベースのゴルフより広いくらいでオシャレかつ実用的というVWの王道たる出来映え。

そのうえ骨格はゴルフ兄弟と共通のMQBプラットフォームだから走りのクオリティ、ハイテク安全も保証済み。エンジンも1.5リッターガソリンターボと2リッターディーゼルターボの2種類から選べます。

実際に走ってみると高速性能はドイツ車らしく高く、ビシッと真っすぐ走ります。ゴルフ的にはラゲッジが445リッターという容量の割に、横幅が狭くキャディバッグがドライバーを抜いて1個しか積めないのが難ですが、分割式シートバックを倒せば3人分は楽勝。

唯一、インテリアの質感が軽く、全体的にカジュアルすぎるきらいもありますが、それこそがT-Rocの魅力。

ワーゲンらしさにこだわるならティグアンですが、このポップさが気に入ったならT-Rocは十分にアリです。

(左)コンパクトSUVだが荷室容量は445Lと大容量。しかし横幅が狭いのでドライバーを抜いて1本が限度。2人以上なら片側リアシートを倒して積もう。(右上)すべてのインフォテイメントシステムにeSIM内蔵の通信モジュールを搭載。(右下)「R-Line」はT-Rocのトップモデルで、唯一19インチホイールを装備


フォルクスワーゲン

T-Roc TDI R-Line

全長×全幅×全高/4250×1825×1590mm
メーカー希望小売価格/459万9000円~

週刊ゴルフダイジェスト2021年7月6日号より