2019年のルール大改正でやさしくなったとはいえ、まだまだ複雑なゴルフルール。すべてを頭に入れておくのは大変だが、ゴルフを楽しむうえで、最低限のルールは覚えておきたい。今回は、「スタンスをとることへの援助」に関するルールをご紹介!

飛球線後方に立ってもらうのはNG

ストロークのためのスタンスはプレーヤーが自分自身で決定し、自分の力でその位置に立たなければならず、物や人の援助を受けることはできない。新ルールによって、スタンスを取る際にキャディに飛球線後方に立ってもらうことが禁止になったのもそのためだ。

ただ、故意ではなく、スタンスを取り始めたときにたまたまキャディがプレーの線の後方に立っていただけであれば問題ない。とはいえ、そのあとでキャディが後方に立っていることに気づいたにもかかわらず、そのままストロークを行ってしまうと2罰打となる。

スタンスを取る際にキャディが後方にいることに気づいた場合は、キャディにその場所から動いてもらうか、いったんスタンスを解くことで罰を免れることができる。

いずれにせよ、スタンスを取る際に人や物を飛球線後方に位置させることに厳しい罰が科されるようになったのは、それだけ目標に向かって真っすぐ構えることが難しいという証左でもある。人や物に頼らなくても正しい向きに構えられるように、“真っすぐ構える”練習も普段からしておくと良いだろう。

上記のルール以外にも、「スタンスをとることへの援助」に関するルールの疑問を『2021-2022 GOLFDIGEST ゴルフルール早わかり集』から抜粋してご紹介しよう。

Q. ルール上の「スタンス」の定義は?

A. ストロークをするために準備する、足と体の位置（定義）

ゴルフ規則では、ストロークを行なうためや、その準備のための足と体の位置のことを「スタンス」と呼んでいる。

Q. スタンスを取るときにクラブなどを地面に置きそれを目安にできるか?

A. クラブを目印にしたらスタンスをとった時点で2罰打（規則10.2）

スタンスを取る援助として物を置いてスタンスを取った場合は違反となり、2罰打。違反は物を置いてからスタンスを取った時点で発生する。その後スタンスを解いたり、その物を取り除いたとしても罰を免れることはできない。

Q. 手で持ったクラブをガイドにしてスタンスを取ることは違反ではない?

A. クラブを手で持ちスタンスのガイドにすることは問題ない（規則10.2b）

スタンスを取るときの援助となる物（棒やクラブ）を地面に置くことは違反（2罰打）。しかし、プレーヤーが球の後ろに立って、手に持っているクラブをプレーの線に直角に合わせ、そのあとで自分のスタンスを取るために球の後ろから回り込む場合などは、援助を受けているわけではないので違反とはならない。

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