グリーンを速くするために「ダブルカット」が必要な理由とは? 【明日使えるゴルフ用語】
普段当たり前のように使っているゴルフ用語だが、その成り立ちや意味を問われたときに、正しく返せるだろうか? ここではラウンド中の会話やゴルフ仲間とのやりとりで使える、ゴルフ用語にまつわるうんちくを紹介する。
ダブルカット
ゴルフ場に行くと、その日のグリーンのコンディションが掲示されている。スティンプメーターで計測したグリーンの速さや、コンパクション(硬さ)、芝の刈高などが記載されているケースが多い。
トーナメントや競技会など、一定以上のグリーンコンディションが必要な場合、刈り込みを2回行う「ダブルカット」にするのが一般的だ。
トーナメント中継などでは、しばしば「○㎜のダブルカット」というように、グリーンの管理状況が表示される。速いグリーンにするために芝をダブルカットした上に、さらに、グリーンを硬くするためにローラーをかけることも多い。
なぜ、ダブルカットが必要かというと、これは刈り込み機械の問題である。グリーンの刈り込みに使われる機械は、グリーンモアといって、円筒状の回転刃(電動ひげそりのロータリー刃のようなもの)と底部に固定された直線刃の交差によって芝を刈る仕組みになっている。
断面ははさみで切ったようにきれいになるし、密集度の高いグリーンの芝を低く刈り込むのに適しているが、回転刃と回転刃の間の部分にわずかな山形の刈り残しができてしまうのが唯一の欠点。そこで、刈り込み方向を変えて、もう一度刈り込む「ダブルカット」を行うことで、刈り残し部分を平らにし、より転がりのいいグリーンに仕上げるということだ。
ちなみに、グリーンモアの回転刃の数が多いほど、当然、刈り残し部分の幅は狭くなる。一般的なモアの回転刃数は9枚で、このモアの刈り込み間隔は約8mm。高性能のモアは回転刃が11~14枚となり、これだと刈り込み間隔が約4mmに短縮される。