LIVゴルフとPGAツアー、泥沼の法廷闘争に突入?
LIVゴルフがPGAツアーを反トラスト法違反に当たるとして提訴したが、今度はPGAツアー側がLIVを相手取り「不正競争をしているのはLIVサイド」と反訴した。
法廷闘争に持ち込まれたこの問題。選手が出たいツアーへ自由に出られる権利を主張するLIVゴルフに対し、PGAツアー側は「LIVはサウジアラビアの残虐行為やテロへの関与をカモフラージュするために行ってきた“スポーツウォッシング”そのもの」と主張し、天文学的な契約金で選手を引き抜くLIVゴルフが「不正に選手とツアーの契約を妨害した」と主張している。そのうえでP・ミケルソンやB・デシャンボーを名指しで「彼らがPGAツアープレーヤーを勧誘し移籍するように仕向けた」との見解を示し、逸失利益やブランド被害、コスト、懲罰的損害賠償や弁護士費用などの審理を裁判所に求めた。
当初LIV側は11人の選手が共同で訴訟に加わったが、先月にはミケルソンやI・ポールターらが降り、現在デシャンボー、P・ユーライン、M・ジョーンズの3人だけが組織としてのLIVとともに原告の立場にある。かつてタイガーと人気を二分していた“ミスター・アメリカ”ことミケルソンの人気は移籍以降急降下。世界ランクもデビュー以来、初めてトップ100圏外の134位に後退し、LIVでの成績も不振で八方塞がり。それでも200億円以上の契約金でギャンブルのつけは解消された?
訴訟といえばLIVに移籍したP・リードがゴルフチャンネル、ゴルフウィークと親会社であるガネットに対して7億5000万ドル(約1086億円)の名誉毀損訴訟を起こした。「PGAツアーのパートナーであるNBCのゴルフチャンネルが悪意のある攻撃をLIVゴルファーに仕掛け、リード本人と家族に多大な経済的、感情的損害をもたらした」という内容の訴状を弁護士が提出。
LIVによる反トラスト法違反訴訟の裁判は来年7月、PGAツアーの反訴の裁判は24年の1月まで開始されないため、すべての問題が解決されるまでかなりの時間がかかりそうだ。
週刊ゴルフダイジェスト2022年10月25日号より