若手の憧れ宮里藍が10代女子の飛躍を後押し
山下美夢有の18アンダーという圧勝劇に注目が集まったミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン。その同じ週に日本女子プロゴルフ界のさらなる飛躍を予感させる試合があった。PGM石岡GCで開催された「第3回宮里藍インビテーショナル」だ。
ジュニアゴルファーを応援する目的で始められたこの大会、9月23日は指定練習日で宮里藍によるメンタル主体のレッスン会があり、24~25日に競技が行われた。
大会には先に全米女子アマを制した馬場咲希も参加しており、優勝候補の一番手と目されていたが、優勝したのは中学3年生の叶結衣(14歳)。スコアは「66」「68」の10アンダーで、最終日に猛追した馬場咲希を1打抑えての堂々たる勝ちっぷりだった。
「藍さんは憧れの選手。試合前に教えてもらったメンタルの話が役に立ちました」と叶。小2からゴルフを始め、ベストスコアは64、ドライバーの飛距離は230ヤードだそうで、最終日も馬場と同組ながらノーボギーの4バーディで勝利をたぐり寄せた。
それにしても今シーズンの女子ゴルフ界は10代の活躍が目覚ましい。ご存じの通り、日本女子プロと東海クラシックは2週続けて19歳の川﨑春花と尾関彩美悠が優勝し、先週のダンロップ女子でも19歳の竹田麗央が2位に入った。その前には高校2年生の馬場咲希が全米女子アマを制している。
彼女たちに共通するのは技術の高さ。飛距離は全員250ヤード前後飛ばし、パットを含めたショートゲームも読みやタッチが秀逸だ。
「ジュニアはメンタル的に成熟していない。ジュニア育成では技術も大事だけど、メンタルも大事なことを伝えたかった」とは主催者・宮里の言葉だが、宮里のゴルフの支えになった“54ビジョン”を学んだ10代ゴルファーたちが世界の女子ゴルフ界を席巻する日も遠くないはずだ。
週刊ゴルフダイジェスト2022年10月18日号より