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【読者記者】No.1789「克服したと思っていたスライスが再発! 原因は?」

読者が自身の悩みを解決する方法について、直接プロに取材する「読者記者」。今回のお悩みは「スライスのミスが出る」というもの。果たして解決方法は?

PHOTO/Hiroshi Yatabe TEXT/Daisei Sugawara THANKS/東宝調布スポーツパーク

読者記者No.1789 及川渉さん

●37歳 ●会社員 ●ゴルフ歴/10年 ●ベストスコア/94 ●平均スコア/105 ●163㎝・59㎏ ●ドライバー飛距離/210ヤード

先生/濱田塁

68年生まれ、東京都出身。高校卒業後、渡米しゴルフ修業。ゴルフ理論や指導法なども学ぶ。複数のスクールのヘッドプロを歴任し、現在は「東宝調布スポーツパーク」でレッスン中

及川さんのお悩み
「直ったと思ったスライスがまた出る」


球をつかまえられるようになってしばらくスライスが出なかったんですが、最近、コースで時々スライスが復活します。何が原因なんでしょうか?


アドレスで少しだけ右肩が出ていて、体全体が開いているのが気になるところ(1コマ目)。そのせいで、フォローでの上体の開きがやや早い印象(4コマ目)

及川 スライスは克服したと思っていたんですが……。

濱田 トップで、右ひじを背中側に開いているのが気になりますね。おそらく、練習場でリラックスして打っているときは、切り返しできちんと間をとって、右ひじをもう1回締めてから下ろしているから、スライスが出ないんだと思います。でも、コースに出て少し力んだりすると、切り返しが早くなって、ひじを戻し切れなくなるので、振り遅れてスライスになるんです。

及川 なるほど。

濱田 両腕をゴムバンドで縛ったりすると、右ひじを締めて上げる感覚がわかります。

及川 すごく窮屈な感じがしますが……切り返しではスッと自然に下ろせますね。

濱田 それと、及川さんは顔が早く左を向くクセがありますので、ダウンスウィングに入ったら、逆に顔を右に向けるようなイメージで振ってください。体が開かずにヘッドが走るので、さらにしっかりつかまえられるようになります。

<問題点>
トップで右ひじが大きく開く

トップで右ひじを開くと、シャフトが飛球線とクロスしやすくなる。そこから下ろすと、ヘッドが振り遅れやすい

記者「振り遅れているのが自分でもわかります」
プロ「右ひじを締めると遅れにくくなります」

アドレスで両ひじの少し上のあたりにゴムバンドをかけてスウィングすると、トップで右わきが空かなくなり、右ひじが締まった状態になる(写真上)。切り返しがスムーズになり、振り遅れの動きが解消する

Point1
顔を後ろに向けるとヘッドが走りやすい

ダウンスウィングでクラブが振り遅れる原因は複数あるが、顔が早く上がる(目標方向を向く)のもそのひとつ。逆に顔を右(飛球線後方)に向けるイメージで振ると(写真)、体の開きが少なくなり、その分ヘッドが走りやすい

Point2
インパクト直前は手元を「止める」

インパクトで手元を振り続けると、ヘッドは振り遅れる。インパクト直前、手元が何かで止められる感覚で振ると、ヘッドが加速するのがわかる

Drill1
インパクトバッグをドライバーで叩く

ヘッドで何か重いものを叩く動きでは、頭が残り(顔が右を向き)、手元を止めてヘッドを走らせる動きが自然に起きる

Drill2
ゴムバンドで右腕を上体に固定する

胴体と右腕を一体化させるように、ゴムバンドで固定してボールを打つ。ダウンスウィング後半、右サイド全体でボールを押す感覚がわかる

右サイドを一体にしてボールを押し込む
トップで右ひじを締めることで、ダウンスウィングでは右腕と体が一体に動く。そうすると、インパクトゾーンでボールを押す力に変換しやすい

<取材後記>
窮屈でも飛距離は変わらない
右ひじを締めると、「飛ばないんじゃない!?」と思うくらい窮屈でしたが、無駄なくエネルギーが伝わって、むしろ飛ぶ感じがしました。もちろん、再現性は上がります。

月刊ゴルフダイジェスト2022年10月号より