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【最強ドリル“ゆっくり打ち”】#4 ベテランゴルファーは「跳ぶ」より「粘る」がオススメです

ゆっくり打ちによって浮き彫りになるスウィングの弱点の3つ目は、重心や軸といった“ポジションのブレ”。これを防ぐために意識すべきポイントとは?

PHOTO/Hiroaki Arihara、Takanori Miki THANKS/北谷津ゴルフガーデン

解説/篠崎紀夫

92年のプロ転向後、15年目となる07年に初勝利。持病の背中痛に悩まされながらも現役を続け、19年にシニア入りし、21年には賞金王となる。現在はシニア参戦の傍ら、北谷津ゴルフガーデンでジュニアたちを指導する

●CONTENTS●
#1 「ゆっくり打ち」で弱点が浮き彫りに
#2 「軌道のブレ」を直すには“下から上”
#3 「力感のブレ」を直すには“左手3本指”
#4 「ポジションのブレ」を直すには“左ひざの粘り”

左ひざは伸ばさず粘る

「今のギアは曲がりが少ないので、ジュニアなど最近ゴルフを覚えた人は飛び跳ねるように打ちますが、それはあくまでも足りない筋力を補うためだったり、回転スピードを極限まで上げるためのもの。安定性で考えれば、今も昔も “粘り”が有利ですし、おじさんは絶対にコッチですよ」

筋力の衰えとともに、跳躍力を回転スピードに転化しづらくなってきた世代にとって、飛ぶように振るのはあまり現実的ではない。むしろ左ひざの高さを変えずに振ることで、低く長いインパクトを目指したほうが、安定性もボールへの圧も高まると篠崎。


「理想はアドレス時の左ひざの角度を変えずにインパクトすることです。そうすることで、腰の回転とともに“懐”が生まれ、手の通り道ができます。ゆっくり打ちは、手だけじゃなく足のチェックにも有効なんですよ」

Point 1
インパクトまで左ひざを“我慢”する

アドレス時に作った左ひざの角度を維持しながら回ることで、腰が回転するにつれ、手の通り道となる“懐”が生まれる。「伸ばすほうが懐は生まれにくく、詰まって右腰が前に出やすい」(篠崎)

Point 2
右かかとはフォローまで我慢

篠崎がもうひとつ意識しているのは、右かかとを上げずに粘ること。これによって、より低く長いインパクトゾーンが実現しやすくなるというより

フルスウィングで“ふんわりロブ”
これができれば修了!

仕上げは篠崎が「もっともキツい」というウェッジでの“ゆっくり打ち”。

「クラブが重いから、10球も打てば全身の筋肉が悲鳴を上げますよ。でも、これまで言ってきたスウィングの大事なポイントをよりわかりやすく体感し、修正できるのは、一番重いウェッジです。たとえばショートコースなどで、ゆっくり大きな振り幅でロブショットを打つなんて、すごく良い練習法ですよ」

フルショットで50ヤードくらいから、最終的に30ヤードのロブを打ってみる。これができればスウィングの弱点はすべて克服できているはずだ。

さらに最後の仕上げとして、左手1本で打てたら完璧。下半身リードで左手3本指と左ひざに注意し、シャフトを立てながら下ろしてくる

週刊ゴルフダイジェスト2022年9月6日号より