私のホールインワン物語<延長戦その2>
週刊ゴルフダイジェスト8月23・30日合併号にて紹介した「私のホールインワン物語」。誌面では掲載しきれなかった読者のホールインワン体験記を一挙ご紹介!
■9年前、都内の昭和の森ゴルフコースにて人生唯一の達成でした。ゴルフの前夜まで仕事が忙しく、新しく購入したアイアンを練習する間もないどころか、通販で届いた段ボールのまま車のトランクに載せてゴルフ場の駐車場でビニールを外しながらキャディバッグに詰め替えてのスタートでした。まったく練習していなかったわりに、ホールが進むごとにニューアイアン(ミズノのMP32)に手ごたえを感じながらプレーしていたのを覚えています。ハーフターン後、アウト2番パー3。120ヤード前後を9Iで打つと綺麗な放物線を描いてピンの根元へ。キャリーした後、バックスピンでカップイン。フラットなホールの受けグリーンだったので、すべてを見ることができ、今でも鮮明に思い出します。セルフプレーでしたので保険は下りませんでしたが、その1打のおかげでゴルフ人生最高のエースアイアンとなりました。いま、自分のバッグには、2年前に新調した別のアイアンが入っていますが、当たらなくなると、つい戻したくなっちゃいます。このアイアンだけは、これからも手元に置いておきます。(T・53歳・ゴルフ歴35年)
■これまで5回、達成しています。そのうち2回はキャディがいなかったので、保険金はもらえませんでしたが、あとの3回はキャディつきだったので、それぞれ100万円いただきました。3回はそれぞれ千葉夷隅CC、東名厚木CC、レイクウッドGC明野。最初の千葉夷隅のときは保険をかけていた期間が微妙だったのですが、契約した保険代理店に聞くと、なんとその日の4時がリミットでした。達成したのが午前10時半でしたので、セーフでした。ツイてると思いました。それからはしっかり継続して保険には入っています。ちなみに僕がやった5回のほとんどが200前後の距離ですで、5番ウッドがほとんど。グリーンオンしてから転がっていくので“線”で狙えるんです。方向が正確なら、転がしが有効というわけです。ショートアイアンではボールが最初に着地した地点、そこからワンバウンドした地点と、せいぜい2つの地点しかチャンスはありません。つまり“点”でしか狙えないとうことですね。日本アマを6回制覇したあの中部銀次郎さんは1度もホールインワンをやっていないと聞きました。ピンは無理に狙わず、ファーストパットのやりやすいグリーン中央に乗せた確率のゴルフスタイルだったからだといいます。ピンだけ必死に狙っていく僕らのゴルフはまだまだ未熟ということでしょうが、エンジョイゴルファーとしてはそれでいいと思っています。(石井米二郎・HC4)
■埼玉県の岡部チサンCC岡部コースで達成しました。ゴルフを始めて3年、スコアは100をやっと切れるようになったレベルです。距離は113ヤード。打ち上げのパー3。左が山側で、グリーンは左から右に傾斜していて、右下にアゴの高いバンカーが口を開けて待っています。一目見て「左から攻めろ」と示唆しているようなレイアウトなので、しっかり左を向いて9Iで打ちました。ボールは予定通り左のほうに飛んでいきましたが、いつも出るスライスがそのときはせず、グリーン左の小高いマウンドで跳ねたのが見えました。ところがグリーンについて付近を捜してもボールがない。ボールの落ちたグリーンの左側を探し、その後、奥や右側のバンカー周辺もしっかり探したのに、どこにもない。ロストボール扱いで前進3打から打とうとして前進ティーに向かいながら、念のためにとカップをのぞいたら入っていました。「やったー!」というような感情はなく、そのときはボールが見つかってよかったと、ホッとしたのが正直な感想。昼食時に仲間がレストランで話したら、レストランから「お祝いです」とグラスの生ビールを出してくれ、それでホールインワンしたんだと実感が湧きました。人生初のホールインワン。保険には入っていなかったので、自費で1000円のクオカードを30枚作り、ゴルフ仲間や会社の同僚に配りました。(高山義男さん・33歳・ゴルフ歴3年)
■2回目のホールインワンの思い出です。バブルのころだから30年は前です。1度ホールインワンをして1枚1000円のテレホンカードを30枚作って配り、もう2度目はないと思って保険には入らずにいたのですが、同級生が保険屋を始めたので入ってくれという。やむなく、ろくに話も聞かずに入ったら、翌月のカードの引き落としを見てびっくり。なんとホールインワン保険の掛け金が月1万円、保険金が100万円の保険だったのです。自分の不注意なので同級生に文句を言うわけにもいかず、1年間払ったら解約するつもりでいたら、3カ月目にホールインワン。妻に黙っていたのですが、急に金回りの良くなった私に気づき、問い詰められたので白状、かなりのお召し上げとなりました。(蔵座秋光さん・74歳)
■ホールインワンは全部で6回やっていますが、一番思い出に残るのは東京よみうりCCの15番、バックティーから194ヤードのパー3で出したホールインワン。6年前の2月24日、その日は東京に「春一番」が吹いた日で、風がものすごく強く、15番は真正面からアゲンストの強風が吹いていました。一緒に回った相模原GCのハンデ1の人が3番ウッドで打ったボールがぎゅーんと巻いて左崖下に打った後の2番手で打つ私は迷うことなくドライバーを持ちました。アゲンストの強風に打っていくので、グリップを短めに持ち、低い弾道になるよう意識的にトップをコンパクトにして思い切り振り抜きました。結果、ボールはグリーン手前の花道に落下、40メートルほど転がってピンに当たってカップイン。たまたま茶店の女性も見ていて大拍手。キャディさんが付いていたので、フロントでホールインワンの証明書をいだだきました。よっしゃ、これでホールインワンの保険金をもらって、また東京よみうりに挑戦だ、と意気揚々、電話で問い合わせたら「申し訳ありません。高橋様の保険は昨年8月で切れています」でチャンチャン。ま、私の人生、こんなものでしょう(笑)。(高橋健二さん・74歳・HC9)
■私の人生初のホールインワンは2000年3月18日、レイクウッドGC東コース、15番ホール・129ヤードを8番アイアンでの快挙でした。そのホールはやや打ち下ろしで、高く舞いあがったボールが手前からカップに吸い込まれていくのが一目瞭然。同伴者は会社で同好会倶楽部「スクラッチ会」の2人。キャディさんに1万円の心づけを渡し、ほか2人には高級焼肉屋で「食べたいだけ食べろ」の会食を約束。頭には、濡れ手に粟のホールインワン保険金(確か50万円)がちらついていた。会食してもまだ余る。新品アイアインもちらついていた。契約していたのは、会社の総務課OBの課長が独立してつくった個人保険代理店。10年ほど前から契約していて、契約期間が過ぎると電話で自動延長してもらっていた。しかし、その年は私は、タイへ海外出張していて連絡がとれず(まだスマホがさほど一般的ではなかった?)自動延長はされていなかったのだ。暗転! しかし、焼肉会食は断行され、あわれ安月給の中からン万円が飛んでいったのであった。獲らぬ狸の皮算用……。自動延長には気をつけよう。(漂流者・74歳・ゴルフ歴50年)