普段スライスなのに、突然の引っかけ…原因は? スライサーの痛~い“逆球”を防ぐ4つの方法
持ち球がスライスの人は、通常左を向いて構えるため、突然、普段出ない左へのミスが出ると、大ケガにつながってしまう。こうした予期せぬ“逆球”を防ぐにはどうすればいいのか? スライサーのための逆球防止法を教えてもらった。
PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/成田ヒルズCC
解説/鈴木髙広
すずきたかひろ。1973年生まれ。山形県出身。これまで教えてきたアマチュアは軽く1000人を超えるレッスン界の鉄人。アコーディア・ガーデン千葉北所属
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原因は体が止まるから
GD スライサーは朝イチから逆球が出ることがあります。
鈴木 そうですね。あとは、左右が狭いホール。どちらも大事にいこうとして、逆球になってしまうんです。
GD なぜでしょうか?
鈴木 簡単に言うと、体の動きを止めて、手先で合わせにいくからです。スタートホールはまだ体がほぐれていないし、狭いホールもコンパクトなスウィングで、手で打とうとしますよね。それで、フェースがクルッと返ってしまうわけです。
GD スライサー代表で来ていただいた布浦(ぬのうら)さんも、見事に朝イチのヒッカケを打つことになってしまいました。
鈴木 そうですね。“スライス持ち”の人は、午前と午後のスタートホールと大事に打ちたい狭いホールで、逆球が出やすいことを覚えておくといいですよ。
左に真っすぐ飛び出してそのまま林へ
「布浦さんは、アウトサイドイン軌道でフォローを低く振るクセがあるようですが、この日は朝イチのホールで、しかも撮影の緊張で体はガチガチ。いつもよりさらにフォローが低く、インに引っ張り込むように振ってしまったようです」(鈴木)
スライサーの逆球が出るメカニズム
1. 体が回らない
朝イチホールや左右が狭いホールで、安全にボールを置きにいこうとすると、体の動きが止まってしまう。
2. フェースが返る
体の回転を止めて、手先でボールに当てにいこうとすると、自分が思った以上にフェースが返ってしまう。
3. ボールが左に
アウトサイドイン軌道なので、フェースが閉じると、左へ真っすぐか、さらに左へ曲がる球になってしまう。
体の回転量を増やすには……?
GD スライサーは体の動きが止まると、逆球が出てしまうんですね。では、逆球を防ぐ方法は?
鈴木 体の回転量を上げるのがいちばんです。でも、体を回しにくい状況だから体が止まってしまうわけで、体の回転量を上げろ、と言われるだけでは簡単にはできません。
GD そうですよね。右も左もハザードの狭いホールで、手を使わず体の回転で打て、と言われても、それはスライサーには無理ですよ。
鈴木 そこでおすすめなのが、自然に体の回転量を上げる方法。左足下がりで素振りするんです。
GD 左足下がりで?
鈴木 そうです。左足下がりだと、左足に自然に乗れて、左腰が勝手に回転してしまうんです。この感覚で振るのがスライサーの逆球防止法です。あとは、左つま先を開く、スタンスを狭くする、ハンドアップに構えるといった方法もあります。どれが合うかは人によって違うので、試してみるといいですよ。
逆球撲滅法 1
左足下がりで3回素振り
逆球撲滅法 2
左つま先を開く
「アドレスで左つま先を開いておくと、ダウンスウィングから体を回転しやすくなり、フェースの返りすぎを防げます」(鈴木)
逆球撲滅法 3
スタンスを狭くする
「スタンスを狭くするだけで、体がその場で回転しやすくなります。軸がしっかりしたスウィンガータイプに合う方法です」
逆球撲滅法 4
ハンドアップにする
「クラブを上から入れにくく、自然と横から払い打つ軌道になります。カット軌道が軽減されて、左へ飛び出しにくくなります」
週刊ゴルフダイジェスト2022年8月9日号より