Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • レッスン
  • 【スウィング分析】小祝さくらは右肩を下げてつかまえる。女子プロの250Yインパクト“3つの型”

【スウィング分析】小祝さくらは右肩を下げてつかまえる。女子プロの250Yインパクト“3つの型”

一般男性と変わりないヘッドスピードながら、コンスタントに250ヤード近く飛ばす女子プロたち。効率よく飛ばす秘密について、目澤秀憲コーチが注目したのはインパクトの形。効率よく飛ばす女子プロのインパクトは3つのタイプに分けられるという。

PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki

解説/目澤秀憲

松山英樹をマスターズ優勝に導いたプロコーチ。有村智恵や河本結などの女子プロも教える

右肩下がり型

右肩をグイッと下げてインアッパーでつかまえる

高橋彩華プロと小祝さくらプロのスウィングの特徴は、「右肩の下がり」と「右サイドに頭を残す」という2つの動きを取り入れているということです。

インパクトを見ていただけるとわかりますが、右肩が左肩よりも大きく下がり、肩のラインが傾くように動いています。この動きをすることで高弾道で飛ばせるアッパー軌道を作っているんです。加えて右肩が下がることで、フォローまで頭が右サイドに残るため、右腰が前に出ずインサイドからクラブを下ろしていけます。つまりこの2つの動きができることでインアッパー軌道になりやすく、効率のいいインパクトでつかまった球が打てているということです。


Point1 右肩を強く下げてつかまえる軌道を作る
右肩を下げつつ頭を残しておくことで、インアッパー軌道を作る
Point2 ヘッドが低い位置から入る

ヘッドが低い位置に下りてくるため、インパクトゾーンが長い

骨盤先行型

切り返しから一気に骨盤を開いてインパクト

稲見萌寧プロと西郷真央プロの共通点はコントロール性の高いフェードボールで攻めているということ。注目してほしいのは、「骨盤の使い方」と「フェース面の扱い方」です。

インパクトを見ると、大きく骨盤が回っていることがわかります。これは左サイドへ振り抜きたいという意思の表れです。普通、これだけ大きく骨盤が回ると、振り遅れてフェースが開くのですが、2人はダウンスウィングの早い段階からボールに対してスクエアになるように回転しています。この2つの要素が合わさり、ターゲットに対してアウトサイドイン、そしてその軌道に対してフェース面がわずかに開いた状態でインパクトできるため、強いフェードで飛ばせているんです。

Point 1 骨盤が先行して開き始める
骨盤を先行させながら左方向へ振り抜く
Point2 肩と骨盤は平行を保つ
切り返しからダウンスウィングの途中、骨盤と肩のラインが平行
Point3 フェース面がスクエア

ダウンスウィングの早い段階からフェース面がスクエアになる

【2人の違いはココ】
体を回転させる方向

稲見プロは横回転が強く、西郷プロは縦の動きが強い。どちらも回転が強いが使う方向が違う

右ひじ曲がり型

男子ばりの体の強さが右ひじの角度を作る

山下美夢有プロと河本結プロに共通するのは、「体幹力の強さ」が際立つスウィングということ。まるで男子プロのようなインパクトの形を作って飛ばしています。

2人の持ち球はそれぞれ異なりますが、体幹力のある選手はボール位置やスウィング軌道を変えるだけでドローもフェードも打つことができます。つまり、ホールによって自在に持ち球を変えられ、操作性も高いスウィングなのです。

特徴は「側屈」の動き。この動きにより、ダウンスウィングで右ひじが伸びることがなく、曲がったまま下りてきています。そこに体の回転が加わるのでインパクトではかなりハンドファーストが強くなり、球を押し込んでいける形になります。つまり、分厚いインパクトで飛ばしていけるということです。

あくまでこのスウィングは、下半身の強さと体幹力がないとできないスウィング。側屈に耐えられるような筋力がないと、体が倒れすぎてしまい、インパクトの形も崩れやすくなります。つまり山下プロと河本プロだからこそできるスウィングといえます。体の強さに自信のある方は挑戦してみてもいいかもしれませんね。

Point1 胸が地面を向き続ける
インパクトまで前傾角をキープし、胸が地面を向き続ける
Point2 前傾角と右上腕の角度が揃う

前傾をキープしつつ、右ひじが曲がったインパクトを迎える

山下美夢有の1Wスウィング

河本結の1Wスウィング

【2人の違いはココ】
トップの作り方

お尻側へ大きく手元を引く山下に対して、河本は手元を高く上げてトップを作る

月刊ゴルフダイジェスト2022年9月号より